ゴールドコラム & 特集

WGC最新レポート:2013年第2四半期に金需要が過去4年間で最低水準へ

ワールド・ゴールド・カウンシルの最新レポートによると、今年第2四半期の金需要が、過去4年間で最低の水準となったことが本日明らかとなった。金市場の開発団体であるワールド・ゴールド・カウンシルが四半期ごとにまとめている金の需給レポートによると、今年第2四半期は、宝飾品、金貨、金地金の需要は伸びたものの、金の上場投資信託(ETF)や中央銀行の需要が落ちたことから、全体としては過去4年間で最低水準の856.3トン、評価額としては390億ドルとなった。

4月に金価格は過去30年で最も激しい下落である2日間でトロイオンスあたり200ドル急落した。そして、金価格は再び6月に下落したことから、記録的な金地金と金貨の需要となり、重量では221.7トン増となり、宝飾品も過去5年間で最も高い154.7トン増となった。

しかし、昨今人気のある投資商品であった金を裏付けとする上場投資信託が402.2トン流出し、中央銀行の金の需要もマイナス93.4トンとなったことから、全体の需要は12%減の856.3トンと2009年の第2四半期以来の低水準となった。



「重量においては、年間の金の需要は減少するだろう。」とワールド・ゴールド・カウンシルの投資部門のマネージングダィレクターのマーカス・グラブ氏は本日ロイターにコメントしている。

「しかし注目すべき点は、金ETFから流出した金がいかに他の需要で満たされたかということだ。特に、宝飾品の需要の伸びは特筆すべきものがある。」

金を裏付けとするETFの残高は年初から578.8トン減少している。ワールド・ゴールド・カウンシルは、米連邦準備理事会の量的緩和早期縮小観測が投資家を神経質にさせていると見ている。

実際に、著名米国ヘッジファンドであるポールソン&Co.が、世界最大銘柄のSPDRゴールドシェアの持ち高を53%減少させたことが、米証券取引委員会(SEC)への届出から昨日明らかになっている。

また、ワールド・ゴールド・カウンシルは、今年の中央銀行の需要は300から350トンと、2012年の544.4トンから減少することを、今年前半期の需要が100トン減少したことから予想している。

グラブ氏は、価格のボラティリティが中央銀行の購入タイミングに影響を与えたとし、次のようにコメントしている。

「価格の下落時に更なる購入が行なわれるであろうと予想していたが、第2四半期に需要はマイナスとなった。これは、恐らく更なる下げを期待してたためであろう。そのために、これは中央銀行の方針変更というよりも、購入時期が遅れたためと考えている。」

そのような中、インドと中国における金貨と金地金の需要は71%増の310トン、宝飾品需要は87%増の275.7トンと、第2四半期に急増していたことも明らかとなった。

中国は金貨と金地金の世界一の消費国であり、インドの2倍以上の需要がある。それに対し、宝飾品においてはインドが世界一であり、575.5トンとなっている。

今週月曜日には、中国黄金協会が2013年の上半期の中国における金消費量が前年同半期比53.7%増の706.36トンとなったことを発表している。それに対し、インドはインド政府が金輸入を制限するために、今週輸入関税を10%と今年3度目の引き上げを行なったことなどの影響から、今年中国が通年で世界一の消費国となることが予想されている。

金の供給サイドは、1025.5トンと前年同四半期の1087.9トンから減少している。鉱山からの産出量は18.2トン増加し717.2トンとなったものの、価格が下げる中リサイクルが減少し308.3トンとなった。

資産保護のために金の購入をお考えですか。金の調査団体であり、金現物市場を開拓しているワールドゴールドカウンシル(WGC)が資本参加をし、一般投資家へそのサービスを推薦している、オンライン金取引において世界一の実績を持つブリオンボールトでは、日本のお客様に資産の地政学的分散投資を可能とするスイス、英国、米国、シンガポールでの金保管サービスを提供しています。
ブリオンボールトリサーチ部門, 15 Aug '13
オンライン金取引所有サービスを提供する会社として世界有数のブリオンボールト社のリサーチ部門は、主任エィドリアン・アッシュ、および研究員ベン・テイラー、日本市場担当ホワイトハウス佐藤敦子を含む国際市場担当者によって構成されています。

ブリオンボールト

プロフィール

ブリオンボールト

BullionVault

英国最大手のオンライン金地金取引サービス提供。英国女王賞を2009年に革新部門、2013年に国際取引部門で受賞。7万人を超える顧客の約38.7トンの金地金を保管。 ロンドン貴金属市場協会の正会員。ワールド ゴールド カウンシルの関連会社とロスチャイルドファンドが資本参加。

最新コラム

新着ゴールドグッズ

一覧を見る