2016年10月23日日曜日

ドル円相場円相は日足チャートで75SMAを上抜けて一目の雲の上に
顔を出したものの、一段高となるにはしばらくエネルギー充填が必要なようで。

10月という例年売られやすい時期であることと、
今年は特に大統領選への警戒などがキャッシュ比率を高めるセンチメントを
醸成しているとみられますが、投資家らの懸念は
EU分裂や、債券バブルへの懸念だそうで、、、、。

投資家のキャッシュ保有増加、急落懸念から債券は縮小=BAML
http://diamond.jp/articles/-/105106


債券が急落、金利の急騰を恐れているってことですが
最大のテールリスクをEU分裂と回答しているファンド勢が多いという
ことは、欧州債へのリスクを警戒しているということなのかな・・。

確かに、金余りでも投資先が限られていて、少しでも金利のある
債券市場に資金が集まり過ぎちゃって、先進国の債券は軒並み低金利。

また、米株も最高値圏。
PERからは割高感が出ていると同時にトランプリスクなどもあって
米株をここから積極的に買う局面ではない中で、
中国への投資なんて、今じゃ考えられませんし欧州株もEU分裂が怖いって
ことであれば買えませんし、じゃあ、日本株買えばいいじゃないの…
なんて思ったりするんですが、海外勢はそろりそろりと日本株への
投資を始めているような気配。

外国人投資家は日本の株式市場で
2016年は9月までおよそ7兆円も売り越してきましたが
10月第1週に現物と先物合算で7679億円買い越し
2週目も1824億円の買い越しとなっています。

2週連続で外国人投資家が買い越すのは7月以来

まだ観測の段階ですが、原油価格の安定でオイルマネーが
戻ってきたのではないか、という指摘も。

外国人投資家がついに日本株を買い始めた?
http://toyokeizai.net/articles/-/140610

為替市場でも投機家らは円ロングを減らしています。
つまりドル円ショートを買い戻している。

現在 円を36991枚買い越し中。前の週から8918枚の買い越し減

基調としては10月に入ってからですね。
10月入りで、日本の機関投資家らは下半期入りということで
新たに外債投資(ヘッジなし)で始めたとかなんとか、
本邦勢が海外資産投資に動き出してってことがニュースになりはじめ、
これがマーケットを動かし始めたのかな?と思っていましたが、
どうやらそれだけではなさそうね。海外勢もジワリ動き出したと
考えていいのなら、今のうちにドル買いしておいた方がいいかも。。です。

大統領選が終われば、リスク選好ムードが戻ってくるでしょう。

ということで、ドル円100.80円台と103.40~70円台ロング継続。

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10月に入ってからの、もう一つの変化はユーロ安。

いよいよ2017年3月に現在の枠組みでの資産買い入れが期限となります。
これを延長するとばかり思われていたのが、ブルームバーグの
テーパリング報道で混乱が生じましたが、それをドラギ総裁が否定した
ことで、ユーロ安が進んだ・・・?!ようにも見えますが、
何故10月入りで急激にユーロ安が始まったかはナゾ。
今更米年内利上げを織り込む形でドル高になったからユーロ安、
っていうのもねぇ。なんか説得力に欠けますが、、、。
(トランプリスク後退でドル高=ユーロ安が鮮明になってきた、
という指摘もありますが)

ユーロ安はEUが望む方向に進んでいるわけですので、
リスクが高まったと考えるよりは、
リスク選好相場へ弾みと考えていいんじゃないかと思います。

10月に入って特にドイツ銀行のリスクが再燃しているという
わけでもありませんし、ユーロ安はECBの思惑通りに動き始めたなら
欧州にとってもプラス、円安に動き始めたのも日本株にとってプラス。

そして、行き場のない資金(キャッシュ化されている資金も)は
儲かるとなれば流れ込んでくるぞと大倉キャプテン。
つまり、トレンドができれば持たざるリスクを恐れて動きだす?!

過度なドル高を嫌気して、バリュー的に割高な米株が
急落するリスクさえうまくこなせれば、いいんだけどね。
そこがリスク要因でしょうか。


ECBは12月にQE継続かテーパリングかはっきりさせるようです。

ECB、QEめぐり12月理事会で決定の公算=オーストリア中銀総裁

http://jp.reuters.com/article/austrian-cen-bank-chief-hints-dec-move-idJPKCN12L27P?il=0
ノボトニーさんって、ECBの金融政策のキーパーソン。
彼の発言は常に市場との対話の意味で、重要ですので注目度が高い。
その方が12月に決定と言っているので、12月のECB理事会が近づくと
緩和延長かテーパリングかという観測記事が出てきてユーロが荒れるでしょうね。

まだ先ですが、、、。

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直接為替市場に関係があるかどうか確信はないんだけど
気になったのがこのニュース。


日本国債、中国の購入急増 1~8月買越額3倍超
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO08687960S6A021C1NN1000/

ポイントは

*2016年1~8月の買越額は約9兆円で、前年同期の3倍超
*米国債の保有高を減らし、一部資金を日本国債に回している可能性
米国債の保有残高を今年1月から8月までに約5兆円減らした。
*中国はドル資産の分散を進めている
(米利上げが今後も続けば、保有する米国債の価格下落(利回りは上昇)が進む)
*人民元の国際化に向け、ドルの一極集中を弱めたい

満期までの期間が1年以下と短い国庫短期証券などの国債が中心だそうで
直接日本国債が将来中国の売りによって暴落するリスクがどうとかって話じゃ
無いので、そういう警戒は考えなくていいんだけどね。

中国による米国債資産減少は、米債を売って資本流出が進み下落が止まらない
人民元安防衛のためのドル売り人民元買いに回っている、
との指摘もありましたが
(その可能性も全くないワケではないと思うけど)

この1-8月米債から日本国債へとシフトしていたってことは、
これも円高圧力だったんじゃないかなぁと思うのよね。

米債から円債でしょ。ドル売り円買いだよね。
この影響が為替市場において全くなかったとはいえないのではないのか。。。

そして、今後、こうした動きが続くのかどうか。
中国の外貨準備は減少しているとはいえ、日本を上回る規模。
彼らのポートフォリオリバランスは少なからずマーケットに
影響を及ぼしていると思っています。

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