2018年6月18日月曜日

イベント週となった先週、最もマーケットを揺るがしたのはECB理事会でした。

ユーロドルがスコーンと下がりました。
年内でQE終了ということより来夏まで利上げはないとされたことに驚いた結果です。

※ユーロドル 日足


市場は19 年 6 月に中銀預金金利(現在マイナス 0.4%)の小幅な利上げを
織り込んでいた為、夏まで発表現行水準維持、という決定が
ハト派色の強いサプライズとなってしまったのです。

ユーロドルはかなり大きく下がったのですが、
まだまだ下がるとみる向きが増えた印象。

米国は年内あと2回利上げするし、来年も3回の利上げの見通しが示されました。
一方で欧州は、来夏まで利上げはないのです。
現在2%まで引き上げられた米国のFF金利は、来夏まで2.5%、もしくは2.75%まで
引き上げられている可能性があるのに対し、欧州はゼロのまま、、、
というんですから、ドル買いが優勢になると考えるのは妥当ということでしょうか。

来週は22日に 6 月ユーロ圏PMIが発表されますが、
内容によってはユーロ一段安のリスクもあると指摘されています。

※22日 ユーロ圏6月製造業 PMI速報 予想 55.0 (前回55.5)

確かに予想より悪ければユーロ売りとなる可能性もありますが、
気になるのが18~20日開催のECBフォーラム。

2017年6月のECBフォーラムではECBドラギ総裁がテーパリングに言及。
BOEカーニー総裁もまた、金融緩和縮小に向けた発言を行いポンド高局面も。
それだけではありません。カナダのBOCポロズ相殺もまたタカ派発言を行いました。
この時を境に、2017年のユーロ高トレンドがスタートしたことは
記憶に新しいですね。

今回もドラギECB総裁、パウエルFRB議長、黒田日銀総裁、
ロウ豪中銀総裁らが参加。
現地時間20日14時半(日本時間同22時半)から行われる
パネルディスカッションに注目でしょうか。
昨年これをきっかけにユーロ高トレンドがスタートしただけに
市場参加者の注目は高いと思います。

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そして、週明けの相場を見るうえで無視できないのがコモディティ市況。
原油、ゴールド、銅、大豆やコーンなどのソフトコモディティ、
何もかもが大きく下げています。

※コモディティチャート一覧

ということで、コモディティのインデックス、CRBインデックスも急落してます。

※CRBインデックス


素直に考えれば、ユーロドルが下落している、、、つまりドル高ですから
コモディティ安は不思議でも何でもありません。
ドル高は国際商品価格安の相関ですしね。
ただ、それがECB理事会受けてユーロ安が進んだ木曜ではなく、週末金曜であったこと。
1日遅れ、、、というのは、単純にタイムラグでしょうか。

あるいは、、、このニュースが影響した可能性も否定できません。

トランプ大統領、500億ドル相当の中国製品に対する関税発表
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-06-15/PAD65M6JIJUP01

トランプ政権は15日、中国からの輸入品500億ドル(約5兆5300億円)相当に対する
関税賦課を正式に発表、追加の投資制限についても発表しました。

もともと、15日に発表されるとされていましたので、
サプライズでもなんでもないのですが、
サプライズだったのが、中国側の反応。すぐさま報復を発表。

中国、米国からの輸入500億ドル相当に追加関税-トランプ政権に対抗
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-06-16/PAECXF6S972G01

中国の反応が素早かったことに驚いたのか、米中の貿易を巡る対立激化懸念が
コモディティ市況を大きく崩すトリガーとなった、、、とみることもできます。

ただ、米中貿易摩擦激化で全面リスクオフというムードとなるのか、いうと、、、、
米株やドル円市場は、あまり動揺が見られないのよね。

※米3指標と日経平均先物


ダウは84ドルくらい下がっていますが、下髭長いですよね。
230ドルくらい下がっていたのに、下げ幅縮小して終わってます。
日経先物も72円安とそれほど大きく下げませんでした。

※ドル円


ドル円も110円ミドルです。
円高ってほどでもありませんね。

週明け、日経平均は多少弱含みで寄り付くかと思われますが
リスクオフ全開となるかというと、、、そうでもないんじゃないかな・・・。

ただし、気を付けておきたいのが中国、上海総合指数。

※上海総合指数

3000の節目近くまで下がってきています。
この節目を割り込むと、下げが加速しそうですよね。
チャイナ発の金融危機というと、2015年のチャイナショックが
記憶に新しいですが、その再来がないとも言いきれません。
なんといっても今回も米中貿易摩擦がテーマです。

ということで、今週は上海総合指数が3000をサポートできるか否かに
注意しておきましょ。

そして6月22日にはOPEC総会も開催されます。
市場には増産発表の思惑が広がっていますが、
(米国トランプ大統領が産油国に増産要請してます(中間選挙対策か)

※WTI原油 週末のコモディティ全面安で原油も大きな陰線が、、、


WTI原油価格が60ドルを割り込んじゃうと
シェール企業も採算が合わなくなってきます。
生産活動が縮小する懸念から米株も売られるリスクとなると考えられますが
週末金曜にはWTI価格で64ドルまで原油が下がってきました。

OPECも、増産を決定したことで原油価格が暴落しては元も子もありません。
増産合意があるか否かは、価格水準次第。
総会前に60ドルを割り込むような事態に陥っていたら、
増産発表はないかもしれません。
その場合、価格は大きく反発する可能性も秘めています。

どんな発表になるかは予想が難しいのですが
原油価格の60ドルの節目がサポートできるか否かというのも
マーケット全体に及ぼす影響がそこそこ大きいと思っていますので
この点にも注意しておきたい1週間となりますね。

あとは24日トルコの大統領選挙ですが、、、
トルコ安が一段と進むならドル高ですが、他市場に影響があるかというと
それほど大きく金融市場全般を揺るがす材料ではないと思っているんだけど
気にはしています。

このところあまり相場とリズムが合わないので
トレードはちょっと様子見とします。

今からユーロを売るのも気が引けるのよね。
ECBフォーラムで逆方向に行きそうな気もして怖い。
ドラギマジックはホント怖い。

ということで、今週もECBフォーラムにOPECにトルコ選挙と
そこそこイベントがあります。
原油の50ドル台があれば買いたいと思っていますが
為替市場でのトレードアイディアが湧いてこない・・・。

慎重に次の戦略を練ることにします。

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