本日の個別配信の市況のほうに「この日の安値は1243.50ドルで下げ幅が大きかった先週木曜日の1244.60ドルを下回ることになった。前日より基調は弱めといえる」と23日のNY金について書いた。記録的な買い残を抱えながらも、押し目が浅いのはETFへの資金流入とショートカバー、あるいはいったんは利食ったものの買い直しが入ってのものと思われる。しかし、連日のように連銀関係者が入れ代わり立ち代わり6月利上げに前向き発言を繰り返す中で、売り優勢の展開になりつつある。
ただし地区連銀の総裁が、それぞれの立場で意見表明をしても、現状では執行部であるFRBとりわけイエレン議長の意向が強く働くと思われる。その点で急遽?発表された6月6日の講演が最大注目イベントに違いないが今週27日金曜日にはハーバード大学ラドクリフ研究所が主催する討論会があり、イエレン議長が出席の予定となっている。他の参加者との応答となるため、政策の方向性等に言及するか否かは不明だが、市場はかなり敏感になりつつあるので、金市場の反応も大きくなる可能性があろう。
ETFへの資金流入が過去の例からは驚くほど粘り強さを見せているのだが、押しが深くなった際に買い向かうのか否かが見もの。ETFの買い方が想定している環境に対する大勢的な見方の度合い(自信の程)が、計れるのではないかと思うのだが・・・。