亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

表面的には強気の内容。しかし、その内実は弱気の米耐久財受注

2016年05月27日 23時55分15秒 | 金市場

この週末は米国は30日月曜日がメモリアルデーの休日の3連休となる。したがって休み前のポジション調整の動きが出るが、足元の内部要因を考えるならば売り優勢ということになる。4月4日以来の安値まで売られ、下値は3月28日に1206ドルがあり、連休前ということでそこを試すことになるのか否か。

昨日はパウエルFRB理事の講演会での発言内容が注目された。「データ、リスクの展開次第で、追加利上げはかなり速やかに行うのが適切かもしれない」とした。メディアでも「かなり速やか(fairly soon)」を前面に出して報じられた。ただし、必ずしも6月とは表現しておらず、むしろ海外に起因するリスクは和らいだとする一方で、英国のEU離脱問題や中国の通貨政策の不透明さなどをリスクと認識しているとしており、“soon”は必ずしも6月とは限らないという印象が強い。

注目指標は4月の米耐久財受注だったが、表面的には大幅増加で強い結果といえるが、細目をみると製造業の弱さが現れるというもので、発表直後は“弱い内容” ということで金は反発となったが、上昇モメンタムはすぐに失われることになった。総合指数は前月比3.4%増と市場予想の0.5%を大きく上回った。3月分も当初発表の0.8%増から1.9%増に大きく上方修正された。

何が問題かというと、「コア受注」と呼ばれる項目(非国防資本財から航空機を除く)が、前月比市場予想0.4%増に対し0.8%減となっていたこと。しかも3ヵ月連続のマイナスとなったこと。意味するのは、米製造業の軟調な状態がなお続いているということ。米国のみならず世界的に不透明感の強い中で、企業は設備投資をためらい、余ったカネは自社株買いに投じてきた。財務の内容に化粧をすることで、株価を維持あるいは押し上げてきたわけだ。技術革新の研究開発や設備拡張に投じられず、目先を取り繕うことに汲々とするスタンスを非難する声も多かった。かつてのジョージ・ソロスの右腕として名をはせたスタンレー・ドラッケンミラーもその人で、米国株には弱気のスタンス。




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