亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

またゴールドマン・サックスが金価格の見通しを上方修正

2016年06月27日 21時54分06秒 | 金市場

週末を挟むことで多少なりとも冷静に事態を見つめ直す時間が与えられた週明け。大きく売られた株式市場は、さすがに自律反発の動きが見られた。これは日経平均の話。しかし、戻りが鈍く、ヨタヨタという感じだ。欧州株は現段階で自律反発的な動きすら見せないで、続落状態となっているのは、24日の取引にて引けにかけてやや戻したことから、本日は売り直しということか。株式市場は、そう簡単には行かないんだという先行きを示しているということか。

先週末のリスク・オフの流れの中で、株式市場も英米仏独に比べイタリアやスペイン株は12%もの下げとなり、10年債利回りつまり長期金利も英米仏独が債券が買われ軒並み低下する中で、イタリア、スペインは売られ金利は上昇とはっきり色分けされることになった。資金の流れはシビアになっている。

金市場の方は、週末発表されたCFTCの残は、オプション抜きでさらにネット・ロングの規模が過去最高水準を更新し910トンまで膨れ上がっていた。ロングはグロスでは1116トンとこちらも過去最大。ショートは若干減って205トン。予想以上にハト派的内容のFOMCにBrexit への懸念が重なり、買い付いた結果といえる。そのBrexit が現実のものとなったことで、待ってましたとばかりに益出し売りが出ているものと思われる。かなりの売りが出ていると思われるが、対して買いも相応のものが入っており、文字通り売り買い交錯状態の保ち合い相場。

ゆっくりと離脱交渉に臨みたい英国に対し、不透明な環境が長引くことを回避したいEUサイドでは独仏を中心に英国に対し早期に離脱宣言を出すことを促す方針を固めたようだ。離脱という一度出された結論は覆しようがなく、ならば英国の離脱を前提に今後の動きを進めることを周知徹底し不透明要因を排除することが、無用な混乱を避ける上で必要と判断したとみられる。明日開催されるEU首脳会合はまさにその場になると見られ、話し合いの内容が見ものだ。

金市場への資金流入の規模が増えると、先行きオプション込で1000トン超えは売りのシグナルなどという経験則は役に立たなくなるだろう。それほど、マネーはばら撒かれて来ているわけだ。

そういえば、UK騒ぎで見落としていたが、ゴールドマンが密かに(笑)金価格の見通しを上方修正していた。今回は前回の上方修正から日を置かず発表したのは、それほど環境が変わったことを認めざるを得なかったのだろう。それでも先は、安いという見方に変わりはナシ。今後3ヵ月の平均値は1300ドル(5月の引上げ時は1200ドル)、6ヵ月を1180ドルから1280ドルに、12ヵ月は1150ドルから1250ドルとしている。当てにしないほうが、よろしいでしょう。1000ドル割れはどこへ行った?

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