亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

想定されていないリスク要因の浮上と市場の過剰反応

2016年06月29日 20時54分16秒 | 金市場

注目のキャメロン英首相も参加してのEU首脳会議の初日。日本時間の29日午前に伝えられたところでは、離脱交渉は9月以降に先送りされることで固まったという。キャメロン首相の後任が遅くとも9月9日までに選任されるということで、同首相が交渉の場に立たないと言っていることから、EUサイドも求めに応じる以外の選択肢しかなかったとみられる。ただし、首脳会議の認識として、「交渉が長引くことで景気が下振れする」ことで一致したとされる。

今回の混乱は、リーマンショックのように突発的に発生したものでなく、信用問題も今のところ発生していない点が異なる。もともと事前に予定されていたイベントの結果に意外性はあったものの、離脱となった際の対応を考えていた投資家も少なくなく、したがって、すぐさまかつての2008年のような危機に結びつくことはないとされる。

ただし、問題はこれからで英国のEU離脱に向けたプロセスの中で、足元で想定されていないリスク要因が急浮上し、それに対し市場心理が過剰反応すると、一転して危機に転じる可能性はある。これが、怖い。これには、英国や欧州以外の国、地域も含まれる。こうした見通しが、今後の金価格をサポートするとみている。

すでに英国内では、銀行は不動産業や中小企業などに対し融資枠の縮小や新規融資を停止したとの話がある。いわゆる「貸し渋り」で、信用収縮が始まっているということか。その延長線上には、景気の減速そして悪化という影が見えるが、「貸し剥がし」などとなると悪化は加速する。ロンドンでは、ロシアン・マネーの流入やその後はチャイナ・マネーの流入で不動産バブルが伝えられていた。不動産価格も下落は避けられない。

ポンド安で交易条件が改善し、悪い事ばかりではないという見方は一面を見ての話であって、総合的にはかなり難しそうだ。

本日はEU首脳会議2日目だが、英国を外しての会合。

話はかわってお知らせ。

来月7月21日木曜日の夕刻18時30分から2時間、自前のセミナーを開催します。以前参加いただいて連絡先を申し出ていただいている方には、連絡済です。

場所は、JR中野駅北口すぐに見える「中野サンプラザ」。そこの8階セミナールームです。前回は、日を変えて昼の部と夜の部で2回開催しましたが、今回は夜の1回のみです。

テーマは、中央銀行の政策にからめた金市場の話です。損保ジャパン日本興亜、全国生協連さんの協力をいただいており、参加費は1名1000円です。つまり無料セミナーではないよという意思表示の低価設定になっています。

確保できる席は現時点で25名程度になるかと思います。したがって、申込みいただいても、スペースの関係でお断りする可能性があります。悪しからずご了承のほどを。

参加ご希望の方は、以下のサイトからお願いします。

http://www.fp-clue.com/seminarinfo166.html



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