30日は、カーニーBOE(バンク・オブ・イングランド)総裁が、EU離脱で景気見通しが悪化していると警戒感を口にし、8月の政策決定会合にて利利下げの用意のあることを表明。株式市場はこれを好感。FTSE100は、他国に先駆けてBrexit前の水準を上回ることになった。
その流れは昨夜はNY株にも伝播し、こちらはBrexitをきっかけに来週の雇用統計を待たずに7月の利上げ観測は霧消し、ポスト・キャメロン体制の発足が9月に入ってからということから、こちらも消えていた9月利上げをさらに追いやることになったと思われる。
そこでBrexitは取りあえず置いておいて、経済指標に目を転じようということで、間もなく発表される米6月のISM製造業景況指数に注目が集まる。アジア時間には同じ6月の中国のPMIも注目された。政府発表はかろうじて50を維持したものの、前月よりわずかに低下。マークイットが発表する同じ製造業PMIは、前月の49.2から48.6と4ヵ月ぶりの低水準であるとともに16カ月連続の50割れに。
安定しているかに見える中国の先行きが、金市場の次なる関心事。いずれにしても減速を示す中国の指標に、本日のアジアの時間帯の金は直ぐに上昇で反応し1320ドル近辺から10ドルほど水準を切り上げ1330ドル台に入っていた。その後も買い優勢の流れの中で、NYの時帯にイン。ISMの総合指数は前月より上昇し、市場予想も上回っていた。金市場では売りが優勢の流れに転じたか。
次は来週のISM非製造業景況指数が注目される。さすがにここに来て非製造業にも陰りが伝えられており、仮にそうならば逆に金は直近の高値超えに至るとみられる。