亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

FRBとBOJ

2016年07月25日 22時40分47秒 | 金市場

日本時間の先週末土曜日発表のCFTC(米商品先物取引委員会)発表のデータでは、ファンドのネット買い残が重量ベースで889トンとなっていた(オプション取引除く)。2週間前のデータからは、94トンの減少。感覚的にはあと100トンほど減るか減らないか。いずれにしてもまだ売りが出そうだ。1308ドルを割れれば一気に1300ドル割れに至る流れか。1300を巡る攻防戦というか、買い引き合いがどの程度のものか見たいので、1300ドル割れを試してほしいというのが正直なところだ。維持すれば、かなり強い。

今週は、言わずと知れたFOMCにBOJの政策決定会合。FOMCの方は、政策変更ナシで、声明文もややタカ派的なものになるのか、、、、という感じ。声明文に9月の利上げを示唆するような文言もないというのが、大方の見通しだし、そうだと思う。足元でやっとというべきだろう、潜在成長率が下がっている問題や、自然利子率の低下などなど指摘されている。利上げを先送りせざるを得なかったし、また先送りすることで、ますます利上げが難しくなっているといえる。この環境が金をサポートしている。いまや為替レートがカネの流れやマインドを通じて引き締め、緩和という本来金融政策の機能を代替しているような状況にある。

難しいのがBOJ(日銀)。追加緩和に対する市場の期待が強く、いわば外堀を埋められているような感じだ。ここで見送りとすれば円高、株安に振れるのだろうが、中銀として重要な威厳や権威という一般的には振りかざす必要のないものに対する配慮も必要と思う。逆に言えば、日銀は政権に迎合していると思われているわけで、あまりにべったりだと先行きの出口戦略時に混乱の度合いを増すことになりそうだ。もっとも、進むも止まるも外野ではどうしようもない。思うのは、進めれば進めるほど出口が遠くなっていること。自分自身(日銀)が始末をつけられないのであれば、最終的にはマーケットがつけるのみ。



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