亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金  値動きはdull(鈍く)でも「夏枯れ相場」にあらず

2016年07月26日 20時21分56秒 | 金市場

NY金は当面レンジ相場と書いたが、ここにきて1310~1330ドルという狭い範囲に収れんしつつある。しかし、そのレンジの中で徐々に下値を探る展開になっているのは、このところの米国指標の改善を映したもの。

さて、“レンジ相場の継続”というと「夏枯れ相場」という印象が強いが、それは値動きだけをみた判断であって、出来高は膨らんでいる。この点で、決して「夏枯れ」ではない。

実際にNYコメックスの先週後半の出来高を時系列でみると、

7月20日  26万6587枚(1枚=100オンス)
21日  32万9190枚
22日  30万8402枚

と平均して30万枚超となる。

これは価格が2014年3月以来の高値となる1377.50ドルをつけた時を含む今月ここまでの平均の27万4633枚を10%近く上回るもの。

一方、7月に入ってこの間、NYコメックス先物取引の未決済取引の総数を意味する「取組」は、減っている。

22日は、6月23日以来となる60万枚割れの59万7411枚となった。取組が60万枚上回ったのは、英国のEU離脱をきっかけにしてのこと。つまり「取組」面では、離脱前に戻りつつある。

出来高を伴いながら取組が減少していることは、ファンドの手仕舞い売りが続いていることを表す。ファンドの買い越し残は、過去最高を記録した7月5日の(重量換算で)982トンから2週連続で減り、先週末に発表された7月19日時点のデータでは889トンとなっていた。それ以降に出来高が膨らんでいることを考えると、買い残整理のピッチはここにきて上がっている。8月中旬まで弱いと読んでいるのだが、今週のFOMCと来週の7月の米雇用統計が、節目になりそうだ。


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1 コメント

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金は上に行きそう (修ちゃん)
2016-07-27 10:38:46
一家は一家はと思って5年経ちましたが、来年は売り場が来るのではないかと、心待ちしております。

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