結局前日の大統領選テレビ討論は、米メディアの多くがヒラリー優勢という判断で、NY株は上昇。不透明要因の多いトランプではなくヒラリーということで、値動きの典型はトランプがNAFTA(北米自由貿易協定)を不公平協定と非難していたこともあり、メキシコペソが買われ、逆に金は売りが膨らんだ。
金については、討論が始まって間もなく売りが優勢の展開となり、1340ドル超から1330ドル台半ばへと静かに水準を切り下げることになった。NY時間外での話。その後アジアの午後、ロンドンと横ばいが続いた後に、NYの通常取引に入ってからは、討論の評価が広く報じられ株高の中で更に売り圧力が高まり一時1330ドル割れを見ることに。そのまま、値を戻すことなく横ばいで推移し終了となった。前日比13.70ドル安と結構な下げとなった。
一般的な感覚としては、ヒラリー有利に映るのだが、やはりわからない。テレビ討論も10月9日(ミズーリ州)、19日(ネバダ州)と予定されており、トランプ陣営も立て直してくることだろう。
書き込みにリスク要因の多い中で何ゆえ金の売りが目立つのかというものがあった。足元の金市場で売りが膨らんでいるのは、9月末接近という季節性とこのところのヘッジファンドの苦境がある。
いわゆるヘッジファンド・ブームは数年前に終わっているが、カネ余りを背景に業界の残高は増えていた。しかし、さすがに満足なパフォーマンスを上げられず、解約が増えている。大所のファンドの解散も珍しくなくなっている。一般的な投信などもそうだが11月決算のファンドは、9月にキャッシュアウト、現金化をするところもあり、その影響が出ていると思われる。ちょうど先物市場でロングが膨らんでいたが、手仕舞いの益出しをしていると思われる。