亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

静かな展開はどこまで続く?NY市場の金価格

2016年10月18日 12時20分00秒 | 金市場
週明け10月17日のNY市場の金価格は小幅に反発となった。NYコメックスの通常取引は、先週の初め以来続いている薄商いの中で目立った動きがなく、夏休み中のような展開となった。取引レンジは、上下7ドルほどに収まるもので、ドル相場や債券相場(金利の上下動)に多少反応するのみで、非常に静かな展開で、いわゆる「閑散に売りなし」状態。

通常取引は前日比1.10ドル高の1256.60ドルで終了した。ただし、取引の少ない中でも取組高と呼ばれる未決済取引の総数(建玉総数)が減っていることからみて、引き続きファンドの買い建て(ロング)の取引解消の売り(手仕舞い売り)が続いているように思われる。

この中でじわじわとETF(上場投信)への資金流入が続いていることが、全体が静かなだけに目立つという流れ。最大銘柄の「スパイダー・ゴールド・シェア」の残高は17日にも1.78トン増え967.21トンと3営業日連続増で年初来の最高水準である“英国のEU離脱騒動”後の982.72トン(7月5日)に迫っている。

ここ数日の金市場は、静かな中で大きく減少する先物市場でのファンドのネットの買い建て(ロング)の一方で、現物由来のETFの静かな残高増という構図の中にある。この静かな状態は米大統領選まで続くのか、あるいはその前に控える10月の雇用統計やISM(米供給管理協会)のデータの発表などを受けて破られるのか、といったところ。

ここにきて中国人民元相場が対ドルで継続的に下げたり、昨日も上海株が午後に入り急落状態となり前日比6.1%もの大幅安で終了したりと、何かと騒がしくなっているのも気掛かりだ。昨日は中国懸念から銅の国際相場が1ヵ月ぶりの安値に急落ということも起きている。その中国の7-9月のGDP成長率の発表も控える。潜在する波乱の種も、また多い。

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