亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

予想以上に進展し、軽くなった金市場の内部要因

2016年10月24日 23時19分11秒 | 金市場
先週末21日金曜日に、米政府機関CFTC(商品先物取引委員会)の発表するNYコメックスの金のファンドの買い越し残(ネット・ロング)が、10月11日時点で重量換算607トンとした。21日発表のデータでは、さらに減って559トンとなった。これで3週連続減。実際に“夏枯れ相場”のように狭い範囲のレンジ相場で商いは、薄いながらも取組は着実に減っていたので、手仕舞い売りがtapering状態ながら進んでいると思っていた。発表された結果は、やはりね・・という結果に。

これで、過去3週間で11万2286コントラクト、349トンもの整理が進んだ。この間に価格は1330.40ドル(9月27日)から1262.90ドル(10月18日)へと水準を切り下げた・・・というふうに書くと、一般的には読者は検証しないので、そうなんだ!・・と受け止め話は終わる。その表現で間違いも嘘もないのだが、実際には当初の6営業日で1260ドル台に到達し、その後の2週間は買い残は減るものの、下げはすでに一巡しており、むしろ反発に入っていたのだった。より具体的には、ネット・ロングの数字は最初の1週間で144トンの減少、次に156トン、翌週は48トンと連続して減ったのだが、大きく値を下げたのは1週目のみ。後はネットで200トン程の売りが出る中で、ほとんど水準を切り下げず、むしろ反発していたということになる。

70ドルほど水準を切り下げた段階で、現物の買い引き合いが思った以上に出たのかもしれない。

一方、金現物の保有を背景とする金ETF(上場投信)は、最大銘柄の「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」の残高でみて、同じ期間に949.14トンから967.21トンとむしろ増加している。今回の下げが、いかに先物市場でのファンドの取引解消に伴った売り(手仕舞い売り)に主導されたものであるかが、わかる。ただ、そのETFに先週末は、まとまった売りが出ていた。

話は替わるが、ロシアがシリア対応で空母を含む艦隊を派遣中というニュース。対ロシア制裁でEUの足並みが乱れる中で、我らの日本国は、首脳会談に向け(日経が報じたところでは)政府系金融機関がロシア大手銀行への単独融資を計画していると。制裁強化の方向の欧米との逆行、摩擦を考えても、大きな利ありという判断か。12月15日に日ロ首脳会談。12月は内外でイベントが目白押し。




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