亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

11月の米雇用統計、来年以降の強気を思わせる上振れが金にはダメージ

2016年12月02日 20時30分38秒 | 金市場

さて本日は、今週のメインイベント、11月の米雇用統計の発表が控える。(非農業部門)雇用者数の市場予想は18万人の増加、失業率は変わらずの4.9%となっている。ただし、30日に発表された給与計算サービスのADP社がまとめた民間雇用者数のデータが、前月比21万6000人増と大きく上振れたこともあり(予想16万5000人増)、こちらも予想を上振れる可能性がある。そもそも10月の雇用者数に関してはハリケーンの影響で3~4万人少なかったとして、その反動が今回11月のデータに反映されるとの指摘がある。

言うまでもなく、今回の結果が良ければ、再来週のFOMC(連邦公開市場委員会)での利上げを確定付けるが、利上げ自体は金市場では織り込み済み。問題は、来年以降の強気の見通しにつながる内容になるかがポイントといえる。つまり、どの程度の上振れとなるのか否か、さらに平均時給がどの程度伸びたのか否か。言うまでもなく、期待外れはサプライズとなる。

ところで、沈黙を守っていたトランプ次期大統領が、(当選)「感謝ツァー」を始めて、ツィートでなくリアルに、いろいろしゃべり始めている。その内容は、選挙戦時の過激な主張が単なる票集めの戦略的なものでもなく、コアな主張であったことを思わせるものとなっている。つまり勝利宣言スピーチの内容にマーケットが嗅ぎ取った“現実路線への歩み寄り”は、“美しい誤解”であったことを思わせるものとなっている。この一両日は保護主義的なスタンスを鮮明にしており、期待先行で動いた金融市場を戸惑わせるに十分と個人的には思うのだが、果たして反応はどうなるか見ものではある。まさか保護主義への本格的移行を、織り込みながら動いて来たとは思えぬが。。

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