亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NYダウ10営業日連続過去最高値更新と金の1250ドル台への上昇

2017年02月24日 18時27分14秒 | 金市場

23日のNY市場で金価格はやっと1250ドル台乗せ。米大統領選後の昨年11月11日、トランプ候補が選挙戦で訴えた大型減税、破格のインフラ投資を前取りして前々日9日から米長期金利が上昇を開始し、それに合わせてドル高トレンド始まっていたが、一気に加速したのが週末のこの日だった。金市場はファンドの大量手仕舞い売りが出て大幅下落に見舞われる。その前日の引け値が1266.40ドル、安値が1251.90ドル。やっと、その水準まで戻したことになる。

政権の正式スタートから1ヵ月余り経過。トランプ大統領は相変わらずのスタンスで、その時々の発言を続けているが、政権自体は主要閣僚が動きだし、その発言が伝えられ始めている。時にここまでの大統領発言と異なった内容となることもあり、市場に迷いを生じさせることもあろう。その一方で、いまだ重要ポストの商務長官の承認はされていない。

この中で来週28日の両院合同会議が迫っている。施政方針演説となるので、この内容を受けて過熱気味の株式市場がどう反応するか、見ものだ。仮に株式市場の期待に沿った内容になったとしても、それはそれで材料出尽くしという可能性がある。市場は、大まかな方針だけでは満足しないと思われ、期待を違える可能性の方が高そうだ。その面では、コンピューター・プログラムに沿ったロボット・トレードが作った10営業日連続過去最高値更新なので、何でもいいので調整の“切っ掛け”待ちのように見受けられる。

上値が重い中で金がやっと1250ドル台に乗せたのは、過熱する株式市場の裏側でヘッジ買いが増えているということ。それとメインテーマの政治的リスク(地政学的要因)。テクニカル的には心理的節目を突破したことで、こちらもロボット・トレードで1270~80ドルのゾーンに復帰というところだろう。さらなる上値は材料待ちだが、来週の28日のイベントもそのひとつということになる。3月3日にはイエレン議長の講演が予定されており、こちらの方が金市場には、影響が大きいと思う。


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