3月に入って以降の金市場は、前半が下落、後半が上昇となった。前半の下げ分を後半に取戻し、月足でいうならば(このまま終わればという条件付きだが)下ひげの長い線となり、テクニカル的にも悪くはない。
前半は、にわかに高まったFRB(連邦準備理事会)による追加利上げ観測の高まりの下、米長期金利とドルが上昇する中で連続的な下げに見舞われFOMC声明文発表前日の14日には1200ドル割れをみた。FRBが利上げを急いだのは、安定した金融環境を受けたものと思われた。そもそも2月28日のトランプ大統領の施政方針演説が“無難に終わった”ことを好感し、ダウを始め株式指数は軒並み過去最高値を更新していた。そして米国外の情勢も落ち着いていた。
金価格の反転は、3月15日の時間外でのこと。この日のFOMCにて0.25%の追加利上げが予定通り実施されたものの、今後の利上げ見通しは年内3回に据え置かれたのが効いた。ファンドは利上げペースの加速を読み、ショートを積み上げていた。翌16日から金価格の反発が始まり、月末接近のタイミングで再び1260ドル台乗せまで値を戻すことになった。終盤では、すでに党内で合意済みとホワイトハウスが捉えていたオバマケア代替法案が、予想外の身内の抵抗に結局、撤回ということに。再びトランプ・リスクの高まりの中で金は上昇となったわけだ。いずれにしても15日を境に、前半で失った値幅を後半は全部取り戻すことになった。
結局考えてみれば、3月は、トランプ政権に対する市場の評価あるいは期待の振れに沿って金融市場が動き、金市場も動いた形になる
ちなみに昨日、ギャロップ社が発表した世論調査では、トランプ大統領の支持率は、36%と政権発足以来の最低となっていた。米国史上最低の支持率で政権をスタート。これまでの最高支持率は就任演説直後の46%となっていた。周りの評価を人一倍気に掛けるとされる大統領ゆえに、また大統領令などを使い政策実行をアピールしそうだが、足元ですでに着手したようだ。支持率低迷を受けイライラを募らせ、世論調査自体が嘘っぱちだ!(fake)とか、なんとか言いそうだ・・・。
ただ、今は金投資にも色んなツールが増えてかえって悩みます。
自分のライフステージも考慮して、まずはヘソクリで金貨を買ってみたけど、すぐに上がってしまって買いが続かなくなってしまいました。ホントに金はしぶとい、下がりにくい環境ですね。