亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

過去最高を更新した米個人の借金残高(債務残高)

2017年05月29日 22時34分16秒 | 金融市場の話題

北朝鮮によるミサイル発射。内容からは、実験というより牽制あるいは挑発行為という類のものらしい。もっとも、シチリア島でのG7サミットにて北朝鮮問題が話し合われたとのニュースを見て、これはまた(北朝鮮が)やるかな?というくらいは、多くの人が思ったのではないか。先週27日には、米西海岸ワシントン州にある海軍基地から原子力空母ニミッツが、西太平洋に向け出港したとのニュースがあった。作戦期間は6ヵ月との報道があった。ただし、トランプ政権は今朝のミサイル発射にしても、当初とは異なり静かな対応で時間稼ぎでもしているような反応となっている。このまま煮詰まった展開に至り、北朝鮮による一定限度を超える行動を待っての対応ということか。

さて話は変わるが、今週は5月の雇用統計を筆頭に米経済指標に注目のものが多い。その中で、軽めではあるが今年に入ってトレンドが変わったかのような結果になっているものに、月次の自動車販売台数がある。個人消費の減速が指摘される中で、自動車販売台数も年始から減少傾向をたどってきた。自動車ローンの中には、かつてのサブプライムローンのように返済の厳しい人にもローンを組ませたものも多いとされ、延滞率が上がっているとみられている。

先週の24日、NY連銀の調べでは、2017年3月末の家計の借金残高(債務残高)が、2008年9月のこれまでの記録を超え過去最高の12兆7300億ドル(約1410兆円)になったというニュースがあった。ただし中身は、かつては住宅ローンが主役だったが、今では学生ローン、
自動車ローンそしてクレジットカード・ローンの3つで構成されている。

このニュースを見て率直に思ったのは、個人消費も“stretch、ストレッチ”状態かな?ということだった。借金を膨らませながら個人消費や小売売上高を押し上げてきたわけだが、さらにとなると借金をなお増やす必要が出てくる。思い切り“stretch、ストレッチ”・・・腕を伸ばして(借金を重ねて)消費しているのなら、そろそろ給料がアップしたり、早く減税法案を通さないと、頭打ち状態になるのではないか。足元の四半期(4-6月期)というよりも、秋以降の米国経済に、影を投げかけるのではないだろうか。

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