亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

今後3ヵ月1230~1330ドルのレンジ予想

2017年12月11日 23時19分05秒 | 金市場

NY金は先週末に1250ドルを割って終了。手元の資料では今年の7月26日以来のこと。7日のフロア終了後の時間外で米税制改革法案の上下両院すり合わせ(両院協議会開催)を上院が可決し、年内成立に前進したことを受け、この時点で1250ドル割れとなっていた。その地合いを受け継ぎ雇用統計発表前から1250ドルは割れてた。

11月の米雇用統計は就業者増加数(22.8万人)こそ市場予想(19.5万人)を上回ったものの、失業率は、市場予想に沿った4.1%と低水準を維持。しかしもっとも注目度の高い平均時給は前月比+0.2%と予想の+0.3%を下回ることに。今回、前月分が-0.1%に下方修正されたことから予想値とは0.2%の下振れという結果となった。前年同月比でも+2.5%と引き続き賃金上昇に加速は見られていない。つまり、まだインフレ率の鈍い状況が続くことになりそうだ。

この結果に、いったんはドルが全面安状態で反応することに。金市場は雇用者増加数が予想を上回ったことにまず反応し1244.40ドルの安値まで急反落。ついで賃金上昇の鈍さが判明すると急反発となり1254.40ドルの高値をみたものの上値はそこまで。欧州連合(EU)と英国間で離脱交渉を巡る合意がなったとのニュースもあり、アジアや欧州株が堅調に推移するリスクオンの流れの中で(さらに税制改革案の進展の後押しのある)NY株式が大幅高で取引を開始。ドルは持ち直し、金の反発は限定的なものとなり、終盤にかけて売り直され続落で終了となった。NYダウ、S&P500種ともに終値ベースでの過去最高値を更新する中で、金は1250ドル割れ(1248.40ドル)で終了。

先週来の金の下げの背景として、ここではテクニカル要因主体のファンドの見切り売りの拡大を指摘して来たが、週末に発表されたCFTCのデータがそれを裏付けている。12月5日時点までの1週間でファンドの買い建て(ロング)がネットで160トン程減少していた。この傾向はその後も続いていると見られる。

さて、昨日の日経ヴェリタス(第509号、12月10日~16日)に3ヵ月予想として当方の金価格の見通しが掲載された。今後のNY金のレンジは1230~1330ドル。(ここに書いたように、)先週後半から今週半ばにかけて安値を出しやすいとした。お手元にある方は、ご覧ください。
さて、どうなるか。


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