亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

早くも心理的な節目の水準に到達するNY金

2018年01月15日 23時47分12秒 | 金市場

先週末は米12月のCPI(消費者物価指数)の数値、とりわけエネルギーと食品を除いたコア指数が前月比で+0.3%と市場予想の+0.2%を上回り、前年同月比でも+1.8%と前の月の+1.7%を上回ることに。この内容に米長期金利は急騰し2.6%に接近(2.59%)。昨年の最高水準が3月13日の終値ベースで2.608%だった。ドルは上昇、金は売られたが、結局下値は1325ドル止まりだった。

その後、ドイツでの連立政権にメドがたったとの報道で再びユーロ高に伴うドル安が起きると、金は水準を切り上げた。NYコメックスの通常取引終了後の時間外取引の時間帯にもドルは弱含みに推移し、このアジアの早朝の段階で1340ドルまでの高値を見ていた。さすがに1340ドル近辺では売り物が控え押し戻されながらも踏みとどまり、本日のNYが旗日(マーチン・ルーサー・キング牧師の日)で休場につき、目立った動きはないものの、15日のアジアの日中からロンドンの早朝にかけて1340ドル台半ばまで見る堅調展開に。

もともと1350ドルは心理的な節目でもあり1350ドル手前には売り物が控える節目の価格帯。ここをこなすとロボット・トレードに拍車がかかり、モメンタム相場となる可能性がある。ドルインデックス(DXY)が週末は約3年ぶりの低水準となる91ポイント割れまで低下しており、買いプログラムが機能しやすい。週末発表の米CFTCのデータでは、投機筋はロングを積み増しており、それでも重量ベースで150トン程はまだ買い余力がありそうなので、今回の年末から続く“寄せ波”は勢いを駆って昨年9月の高値ザラバ1362.40ドル、引け値ベースで1351.20ドルを越えられるか否か。足元でドル安以外の材料が見当たらないだけに、超えられず“引き波”に転じた際には、1300割れを見ることになる可能性も。

もっとも年末年始に米東部を中心に猛烈な寒波に見舞われたが、経済活動への影響も考えられ、指標がやや軟化する可能性もある。ロシアゲートがらみの話や地政学要因も3月以降は、浮上しやすいタイミングと思われ、金の深押しはないと思われる。

理屈の上では、米追加利上げに加え減税策で景気は加速、長期金利は上昇し、利息を生まない金は売られるということで、このシナリオはわかりやすいのだが・・・・そう簡単ではあるまい。


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