亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

FOMC議事録

2018年02月22日 22時10分48秒 | 金市場
注目のFOMC議事録要旨。発表された内容から、ハトだタカだと見方が分かれていたが、もともと前回よりタカ派的な変更に変わった(1月31日発表の)声明文の内容に沿ったものだった。したがって、予想通りの内容でサプライズなし。

内容としては、FRBは国内景気の拡大に自信を深めており、「さらなる斬進的な政策引き締めが適切になる可能性が高まったと、過半数の参加者は指摘した」ということに。

この「さらなる」を今年3回の利上げが4回となる意向を示すものか否かは読み手によるが、基本的にはイエレン前議長が一貫して指摘してきたように「経済指標による」ということだろう。いずれにしても“3回ならハト派、4回ならタカ派” 的な反応は無意味なように思われる。要は景気判断を以前より強気に傾けているのは事実であって、それでも一部でインフレの鈍さに対し懸念を示す参加者が存在するということ。その参加者も、現状では斬進的な利上げには賛成という方向であることが今回明らかに。

興味深いのは、「低い生産性の伸びが続いた場合、賃金の上昇ペースが目立って加速することはないかもしれない」としたこと。その後、2月2日に発表された1月の雇用統計にて「
『平均時給』の伸びが前年比で2.9%となるサプライズがあり、米長期金利が上昇し、株価大幅安の引き金を引くことになったのは、ご存じのとおり。

では金融当局者にとって、この賃金上昇をどう受け止めたのかという点で、(まさに議事録公開に合わせるように)21日に(事前に組まれていた)TVインタビューに答えたカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は、「賃金が2.9%増となったが、単月の雇用統計に過剰反応はしたくない。直近の消費者物価指数についても同じだ。こうしたデータを軽視はしないが、1ヵ月のデータ変動に過剰反応するのは望ましくない」とした。

さらに市場の関心を計ったように、「声明での文言変更については、たっぷり議論する。『さらなる』は、われわれが現在たどっている軌道の継続を伝えることを意図していると思う」とした。カシュカリ総裁は、追加利上げした昨年12月のFOMCにて投票権を有し、利上げに反対票を投じた“ハト派”で知られる人物。ここにきて斬進的な利上げ容認に転じていると見られることが、全体の利上げスタンスは強まっていると受け止めた方がいいだろう。

とはいえ、3月の利上げは、ここまで来ると見送る方が“上げられないほど心配なの??”ということで、マイナス材料に。これに金市場が大きく下げるなら、それは売られ過ぎと思う。


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