亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

売り買い両サイドの綱引き相場の金市場

2018年03月19日 22時54分17秒 | 金市場

森友学園をめぐる「文書改ざん問題」は、各種世論調査によると、内閣支持率の低下につながり始めたようだ。この問題に関する為替市場、ドル円の反応は、そもそも“アベクロ(安倍黒田)”相場との表現があったように、アベノミクスの本質は異次元緩和策に反応した円安との見方があるわけで、政権の揺らぎは円高に反映されやすいとされる。本質的には、ニッポン丸の舵取りが怪しくなる話は、円安要因というのがわかりやすいが、実際にはリスクオフの円高要因との認識が強いようだ。

先日、日本政局の流動化はあっても、金の国際価格への影響は限定的としたが、ドル円相場を通し国内金価格には影響が表れることになる。言うまでもなく、円高は国内金価格の押し下げ要因となる。

今週は明日から2日間の日程でFOMC(連邦公開市場委員会)が開催される。すでに先週末から金市場は今後の利上げ見通しの引き上げへの警戒感から、売り優勢の流れに転じている。FRBとしては、織り込み済みの追加利上げは別として、主要経済指標の強さから“利上げ加速観測”を株式市場の急落など波乱なく織り込ませたいということだろう。それは、先月末のパウエル議長の議会証言に表れていたと思っている。したがって、いつものようにFOMC接近で金市場は前のめり的にこの事実を織り込みに掛っているようにみえる。ロンドンのオープニングに掛けて売り込まれた1307.40ドルが本日のここまでの安値となっている。

利上げ(米金利の上昇)という、もっとも分かりやすい売り要因に対して、保護貿易主義の高まりなどからロシア・ゲート問題まで広義の米政治リスクなど、買い要因も存在するのが足元の金市場。下値は限定的なものに、なると思われる。したがってドル円の為替要因主導での国内価格の4500円割れは、押し目買いのゾーンと捉えている。


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