日米首脳会談。懸念した首脳会談を通した通商面でのあからさまな日本への条件や要求は、みられなかった。それぞれの記者会見からは、双方の希望は述べたものの、突き詰めた要求は(特に米国サイドからの)なかった。2国間協定に持ち込みたいという米国側の意向についても、簡単に言及されただけだった。記者との質疑応答も具体的な内容には踏み込むことはなく、米国側の意向はそういうことだよ・・・という感じ。
今回の場で、首脳間で強烈な要求をされることを避けるために日本側が示した、別途協議の場を設けようという提案は受け入れられた。茂木経済再生相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表による分科会で話し合おうというものだが、すんなり受け入れたのは、むしろ米国側には渡りに船状態ということだったようだ。むしろこの分科会で日本に譲歩を迫ろうということのようだ。事なきを得た首脳会談よりも、この分科会の交渉は厳しいものになるのではないか。
しかし、目立った波風が立たなかった市場では、ドル円は買われる(ドル高)との見方が支配テクだったが、上がっても107円半ばということだった。戻りの鈍さというか上値の重さというか、円高⇒株安は回避されたが、今後は“分科会”の内容が材料になりそうだ。