亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金利とドル相場の相関が復活、ロボットの金売りプログラムが作動

2018年04月23日 20時30分56秒 | 金市場

先週後半から目立つ米長期金利の上昇が週明けも続いている。アジアのスタート時は前週の地合いを受け継いだものの中盤から欧州入り位までは目立った動きはなかったが、日本時間の夕刻辺りから動意付き、一時3%にタッチしている。先週20日の時点で2.96%まで上昇し(相場は売られ)、2014年1月以来4年3ヵ月ぶりの水準に達していた。

4月に入って原油価格の上昇が目立っているが、米朝間の通商摩擦に対する懸念もあってアルミやニッケルなど非鉄金属価格の急騰も重なり、インフレを意識させるセンチメントに。加えて、このところ連邦準備理事会(FRB)高官による利上げ容認発言が増えていることも、利上げペースの加速観測につながり米国債は売りが2年物辺りから目立っていた。長短金利差(10年債利回り-2年債利回り)が、0.5ポイントという10年ぶりの水準まで縮小し、いわゆるフラット化が話題になり、逆転(逆イールド)するとリッセッションの先行指標ということで、普段は注目度の低い債券市場だが結構盛り上がってきている。3%を超えて投げが加速(金利の上げが加速)すると、株式市場は売られることになりそうだ。

この米長期金利の上昇で、さすがにドルに買いが集まり上昇。逆に金は売られている。金利とドル相場の相関が復活。先週末はドル指数(DXY)が2週間ぶりに90ポイント台を回復して終了していた。それが週明けの日本時間の23日20時時点で90.74と1月18日以来の水準まで急騰している。金利急騰(米債売り)と呼応する動き。こうなると、ロボットの金売りプログラムが作動し、金市場は売りが先行する展開に。米国株の動きより、DXYに影響を受ける金は、再びレンジ(1300~1360ドル)の下値を探る展開は避けられぬが、目先はどこまで金利が走るか。債券市場は節目突破でストップアウト(いわば「投げ」)の動きか。

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