亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米長期金利とドル高の連動

2018年04月25日 23時55分35秒 | 金融市場の話題

米10年債の利回り(米長期金利)の上昇が続いている。手元のデータでは、日本時間の今夕5時半(NY時間の早朝4時半)には、3.035%まで上昇。この時点でWTI(原油)は前日比プラス圏で推移中で、NY金は売り優勢の流れの中、1325.90ドルとなっていた。その後、NY金は1320.50ドルまで売られている。金利上昇が止まらないことから、本日の米国株も下落で取引を開始。

足元のNY金と株の下落は、FRBによる利上げの加速を織り込みに掛っているもので、17年ぶりの低水準でここ数ヵ月張り付いている失業率4.1%の下では、さすがに賃上げの動きも、顕現化するだろうという見立ての下でのこと。ついに賃上げに火がつくのなら、経済の過熱化は避けられない、したがって長期金利は上昇。年内の利上げ回数も増えると予想しての金売り。

一方、長期金利上昇の裏には、急速に悪化している米財政事情に対する警戒がある。実際にこの2月以降も国債発行の増額が始まっている。落札の金利も上がって来ている。つまり足元の金利上昇には「悪い金利上昇」という側面がある。だから2月に長期金利が上昇した際には、本来では連動するはずのドルの上昇は目立たなかった。その時点でユーロ圏経済が好調に推移しており、ECB(欧州中銀)の金融正常化へのスケジュールにも前倒し観測が高まっていたこともドルの上昇を抑えていた。

ここに来てユーロ圏の指標には陰りを感じさせるものが増えており、ユーロドルの動きは次第に鈍くなっている。それがドル指数(DXY)に反映されている。対円で顕著だが、いわばドルが戻りの時間帯に入っており、どこまで戻れるかを注視というのが現在の状況。金市場の場合、ドル指数(DXY)を見ながらのロボット・トレードが幅を利かせている。DXYは足元で91.24まで上昇しており、2月末の戻りの節目を越え、1月12日以来の水準まで上昇している。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 金利先物からは米年内利上げ... | トップ | 金、下げ局面でETFに押し... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金融市場の話題」カテゴリの最新記事