亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金、下げ局面でETFに押し目買い(米中貿易戦争は休戦)

2018年04月26日 23時12分39秒 | 金市場
日本時間の今夜、NYの午前9時半時点の10年債利回りは、さすがに押し目買いが入り金利は35割れに低下となっている。株は高寄り。昨日は3%超で高止まりし、3.026%で終了。この金利上昇にドル相場が引き続き反応する金融のテキストブックにあるような素直な展開。ドルは全面高状態となり金は売られた。それでも10ドルほどだが。ただし、前の日の上げ幅(9ドル高)をすべて失い、行って来い状態に。

ただし、この中で目を引いたのが金ETF(上場投信)の最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」の残高が5.31トン増え871.2トンとなったこと。2016年11月30日以来の水準となる。昨日は、先週後半以来の下げの中で24日は先物に値ごろ感からの買いが入ったが、25日の金ETF残高の増加は同じ動きを表すといえる。1日だけの動向で結論付けるのはリスクはあるが、本格的に売られる時はETFも連日残高が減っていく経験則からすると、やはり1300~1360ドルのレンジ下限では、現物由来(ETF)の買いも入ることを表している。

25日は、主要な経済指標の発表がない中で、引き続き政治的な動きが市場の関心を引いた。米中間では、ムニューシン財務長官が貿易問題について交渉するために数日以内に中国を訪問する予定とされ、トランプ大統領も「中国との取引が成立する可能性は十分にある」とした。思うに、訪中するのがムニューシン財務長官というところがポイントだろう。対中強硬派で知られるウィルバー・ロス商務長官の管轄であるにもかかわらず外したのは、北朝鮮情勢をにらんで、ここは矛先を収めておこうということか。したがって、米中間の緊張は目先は山を越え、沈静化、休戦状態ということでリスクファクターのひとつが目先は後退することになりそうだ。イランとの核合意の見直しの判断の期日を5月12日に切っているが、先送りも考えられそうだ。大イベントを控え、中東での緊張を高めることは避けるのではないかと思われる。



コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 米長期金利とドル高の連動 | トップ | 本日、夕刻に上海着 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金市場」カテゴリの最新記事