亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

政治主導の動乱相場

2018年08月10日 23時48分21秒 | 金市場
米国による追加制裁の対象国2国、ロシアとトルコが大荒れ状態となっている。この2つの国の通貨ルーブルとトルコリラは、ともに大幅下落となっているが、昨日はロシア、本日はトルコリラが主役。日本時間の本日午後、つまり欧州時間から下げが目立ち始め、エルドアン大統領の演説を受けた、日本時間の21時台には底抜けの様相に。その影響は、早い時間からユーロの売りに波及し、ユーロも年初来安値を更新する1.14ドル台に。イタリアの銀行が保有しているトルコリラ建て資産への懸念から、イタリア国債にまで売りが広がっている。トルコリラとユーロが連動して動くという異例の展開に。

この流れに、ドル指数(DXY)は年初来高値更新となる96ポイント台に。こちらは前日のルーブル急落の中ですでに引値段階で高値を更新しており、その割にはNY金が下げ渋りの印象だったが、本日は、いよいよ世界的なリスクオフ・センチメントの広がりの様相に、さすがに金も反発となっている。ここまでのところ米国株にも売りが広がり、米国債が買われる中で、さすがに過去最大のショートを抱えた金市場では、巻き戻しの動き(ショート・カバー)が出ていると見られる。つまり、内部要因主導で、金がDXYの縛りから放たれている。

今夜は、トランプ大統領が、トルコからの鉄鋼とアルミへの関税を2倍にすると発言。それぞれ50%と20%になる。いずれにしても、政治がらみでトルコリラを中心に極端な相場となっており、週末のNYの引けまでにどうなるか。政治主導の動乱相場。

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