亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

行き過ぎるところまで行かないと止まらない

2018年08月13日 23時01分09秒 | 金市場
先週来のトルコ騒動が、週明けも続いている。アジア時間の早朝にトルコリラは、1ドル=7.2リラ台と最安値を更新。その後トルコ政府(銀行監督局)が、リラ売りを事実上禁止する取引規制を発表、6.6リラ台に反発と荒れた展開となった。ただし、同国は経常収支の赤字がGDP比6%まで拡大しており、通貨危機に陥りやすい構造といえ、小手先の対応が効くか疑問というのが、率直なところ。日本時間の今夜の21時過ぎの時点でも1ドル=6.8、6.9ドル台での推移となっており、この水準は先週末金曜日に売り込まれ過去最安値を更新した、“下振れ”の際の価格につき、終息には遠いということになる。

エルドアン大統領が、いろいろ発言しているが、いずれも希望的観測、ないしは米国批判という内容となっている。週末金曜日は、日本円が最強通貨となったが、金市場の視点ということでは、やはりドルの強さが目立つ。ドル指数(DXY)が、引けベースで96.32ポイント台と1年1ヵ月ぶりの高値に買い上げられたことで、10日のNY金は結局、上げ幅を削って終了となっていたが、本日はDXYが引き続き96ポイント台で推移中で、金市場では売り圧力が強い状況が続いている。スポットはNYの早朝の時間帯に一時1200ドルを割れるところまで、売り込まれた。

先週末に発表されたCFTC(米商品先物取引委員会)のデータでは、NY金先物のショートはさらに増え、ついに(オプション抜きで)重量換算にして(グロスで)608トンと4週連続で過去最大値の更新となった。ロングはわずかながら2週連続で減少。結局、ネットではわずか39トンのロングとなり、これは2015年12月以来の低水準に。FRBがリーマンショック後に初めて利上げ、つまりこれから米国の利上げ循環が始まるというので、金市場ではショートが膨らんでいた。それでもネット・ショートにはならなかった。その際のネット・ロングの規模は、手元の資料では30トンだった。その時のショートの規模が463.6トンだった。金市場の規模が、ETFの登場などで裾野が広がったという背景はあるので単純比較はできないものの、やはり600トン超えは、従来の過去最大を100トン以上上回ったという点で、over-sold という印象に変わりなし。
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