亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

今回のFOMCは金市場にとって節目のイベント

2018年09月25日 22時32分34秒 | 金市場
本日から2日間の日程で開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)は、金市場にとって節目のイベントになりそうだ。現在1.75~2.00%の政策金利(FFレート)が0.25%引き上げられるのは既に降り込み済み。むしろ利上げなしが、スーパー・サプライズに。

問題は、参加者全員が無記名で提示する経済予測にある。焦点は、FFレートの見通し。6月のFOMCでは長期見通しは2.9%となっており、これがいわゆる経済実態に見合った(政策上の)「中立金利」とされ、利上げの打ち止め接近を意識させることになった。6月に示された2019年、2020年の見通しは、それぞれ3.1%、3.4%となっていた。今回の会合では、どう変化するか。

さらに今回は新たに2021年の見通しが加わるが、その水準はどうなるか。引き上げられるなら、利上げ継続に前向きと捉えられ、ドル高に伴い金は再び1200ドル割れに押し戻されるというのが一般的な形(理屈)ではある。しかし、年内12月の利上げまで織り込みに掛っている市場ゆえに、前のめりに金市場は売られた経緯があり目先の悪材料通過ということで、反発という可能性も考えられる。以前であれば、そう言えるが、そこに落としどころが難しくなっている米中貿易戦争という要因が乗ることになった。

もちろん見通しの数字のみならず、予定されているパウエル議長の記者会見の内容も加味した判断となる。中国を筆頭に通商摩擦の高まりや新興国経済の乱調など懸念材料への判断をFOMCはどう下すか。

いずれにしても過去最大規模のショートを抱えながら方向感の出ない金市場。レンジ離れにつながるイベントに今回のFOMCはなる可能性が高いといえる。仮に、FFレートの見通しに変化が見られなかったり、引き下げられるならこの1ヵ月で抵抗ラインとなった1220ドルを突破し、踏み上げ相場到来となろう。ただし、ハト派で知られるブレイナード理事の発言が、このところ継続利上げに積極姿勢を増しており、引き下げられる可能性は薄そうだ。果たして、どうなるか。



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