NYコメックスの金先物市場でファンドによる記録的なショートが溜まっていることは、ここでも何度か取り上げてきた。データの連続性を考慮して以前からの計測方法を用いたグロスの数値は、8月7日時点以降、先週10月2日時点まで9週連続で重量換算で600トン以上のショートが維持されたままになっていた。ネットでも8月14日以降、8週連続で売り越し(ネット・ショート)の状態にあった。その溜まったショートの手仕舞いが、今回の米株急落にともなった世界同時株安の中で起きたのが、10月11日のNY金の上昇。ドル指数が95ポイント割れを見る中で金市場参加者の関心事は、過去1ヵ月半にわたる1180~1220ドルのレンジを上抜くか否かにあった。特に上値の節目として意識されたのは1210さらに1220ドルとなっていた。
11日のNY市場では、午前の早い時間帯に11月末にアルゼンチンで開催されるG20首脳会議に際し、トランプ大統領と習近平国家主席が会談する可能性があると報じられたことから(米紙ウォール・ストリート・ジャーナル)、米国株は一時プラス圏に浮上。しかし、この戻りも長くは続かずマイナス圏での売り買い交錯状態に。そのまま不安定な動きが続き、午後に入り再び下げ足を速めると、金市場はさらに騰勢を強め1220ドルのレンジ・ブレイクに。そのまま1230ドルの高値を付け、その後は横ばいで取引を終了した。結局、前日比34.20ドル高の1227.60ドルで終了したが、1日の上げ幅としては2016年6月以来の大きさとなった。英国の欧州連合(EU)離脱が国民投票により賛成多数で決まるというサプライズを受け、大幅高して以来のことになる。
直近のデータでは(10月5日発表)、NY金先物市場ではファンドのショート(売り建て=空売り)が重量換算で666トン(オプション取引を除く)も維持された状態で、全体でも68トンの売り越し状態にあった。11日の上昇は、やっとこのショートが買い戻された、いわゆるショート・カバー・ラリーが起きたことによる。ショートの残は未だ大きいと見られ、レンジを放れたことから、まずはレンジ下限がどの程度切り上がるか。次の節目は1250ドル。
11日のNY市場では、午前の早い時間帯に11月末にアルゼンチンで開催されるG20首脳会議に際し、トランプ大統領と習近平国家主席が会談する可能性があると報じられたことから(米紙ウォール・ストリート・ジャーナル)、米国株は一時プラス圏に浮上。しかし、この戻りも長くは続かずマイナス圏での売り買い交錯状態に。そのまま不安定な動きが続き、午後に入り再び下げ足を速めると、金市場はさらに騰勢を強め1220ドルのレンジ・ブレイクに。そのまま1230ドルの高値を付け、その後は横ばいで取引を終了した。結局、前日比34.20ドル高の1227.60ドルで終了したが、1日の上げ幅としては2016年6月以来の大きさとなった。英国の欧州連合(EU)離脱が国民投票により賛成多数で決まるというサプライズを受け、大幅高して以来のことになる。
直近のデータでは(10月5日発表)、NY金先物市場ではファンドのショート(売り建て=空売り)が重量換算で666トン(オプション取引を除く)も維持された状態で、全体でも68トンの売り越し状態にあった。11日の上昇は、やっとこのショートが買い戻された、いわゆるショート・カバー・ラリーが起きたことによる。ショートの残は未だ大きいと見られ、レンジを放れたことから、まずはレンジ下限がどの程度切り上がるか。次の節目は1250ドル。