亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

10月11日に次ぐショートカバー・ラリーのNY金

2018年10月23日 20時52分42秒 | 金市場
週明けのNY市場の貴金属相場、金銀プラチナが売られる中でパラジウムが独歩高。年始1月以来9ヵ月半ぶりの高値となる1107.70ドルで終了。トランプ政権が、レーガン時代に旧ソ連との間で結んだ中距離核戦力(INF)廃棄条約を破棄する意向を表明したことから、米ロ関係の悪化がロシアからのパラジウムの供給に影響するとの懸念が、ファンドの買いを呼び込んだと見られる。米国のロシア制裁というと、春先にロシアのアルミ大手ルサールが経営者への関連で金融制裁を受け、破綻に瀕しアルミ価格も急騰ということがあった。パラジウムもニッケルのバイプロ(副産物)としてロシアのノリリスク・ニッケルが生産大手につき、米ロ関係の悪化の連想が働き、目先資金が入ったようだ。もともと、ガソリン車の触媒需要が旺盛で、需給が締まっていることを背景に強含んできただけに値動きも軽かった。

さて、再び世界同時株安の波が押し寄せている。10月中旬から本格化した米国株の業績発表で、増益を背景に早晩株式市場の波乱も落ち着くという期待は、崩れている。結果の良さは既に株価は体現しており、問題は見通し。その見通しにトランプ強硬外交が影を落し、不透明さを増している。長期化しそうな米中貿易戦争、原油に乱高下など混乱につながりそうなイラン制裁などなど。企業サイドも、見通しを慎重にせざるを得ず、もとより景気循環も終盤という思いも過ることから様子見に回った商いの薄いところを、モメンタム系のファンドに売り崩されるというパターンか。

金市場では、先週まで増加傾向にあったETF、SPDR(スパイダー)ゴールド・シェアが週明けに残を若干減らしたので?だったが、23日はどうなるか。アジアの午後、ロンドンの早朝から10月11日に次ぐショートカバー・ラリー状態となっている。1231ドルに位置している100日移動平均線を明確に上抜いたことで、間もなく始まるNYのオープニングが見もの。本日のNY株が同時株安を止められるか否か。その状況で金ETFへの資金流入も再び拡大か。

先週末、新宿でのセミナーでは、米国株指標の中で中小型内需の「ラッセル2000」の弱さに要注意という話をさせてもらった。



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