亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

「株と債券(金利)」相場の相互作用性

2018年12月05日 21時30分02秒 | 金融市場の話題
米中交渉再開の話で市場にもたらされたある種の高揚感、賞味期限切れは早かった。もっとも、あれやこれやと大統領がこの問題に関し、自らの主導性を言い立てたいものだから、それが逆効果になっている印象が強い。

長短金利差縮小について昨日書いたが、やはり10月以降の展開の中で、先行きの不透明さを懸念している株式市場の反応は予想以上に大きなものとなった。前日3日に株式市場が大幅上昇する中で、米国債市場に資金が流入、価格は上昇し利回りは低下という、片方(株式市場)はリスクオン、もう一方(債券市場)はリスクオフというスタンスの違いは、結局前者の修正ということになった。主要3指数ともに、4日の引け味は悪かった。

4日は、株式市場(株価)と債券市場(金利)が互いに影響しあうような展開での推移となった。長短金利差の急接近が、先行きの景気減速、後退を予見させることを映し株価は急落。その株価の急落が債券市場に投影され、金利低下を加速させるという作用、反作用の構図(相互作用性)が生まれることになった。

10年債は一時2.88%と2.90%を割れるところまで低下し、2.914%で終了となった。2年債との金利差はさらに接近し、その差は0.119%。2007年2月以来の水準となる。利回り曲線(イールド・カーブ)で見て、金利差の縮小は曲線が寝ることになるが、いわゆるイールド・カーブのフラット化が進んでいる。2年債の利回りが10年債を上回ると逆転現象となり、経験則からはその後の景気後退を示すシグナルとされる。もっとも、現実にリッセッションに至るには1年程度の時間的余裕があるというのが過去のパターン。しかし先読みするのがマーケット。そのような指標が出る環境では、利上げの継続は考えにくいという判断となる。

ただし、利回りの推移も債券相場を映してのこと。波がある。今回の波がどの程度まで行くかを、市場は見守っている。金市場もまた、しかり。言えるのは、スピード感。動きが早いこと。この展開の早さが、ロボットトレードならではということだろうが、それが市場の波乱を増幅させている。本日のNY株は、休みでよかったということか。

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1 コメント

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Unknown (fairlane)
2018-12-06 01:52:31
パラジウム、16年ぶりに金よりも高価に: https://jp.sputniknews.com/business/201812065668826

2002年以来ということですね その頃の金は300ドル台でしょうか プラチナの凋落は信じがたいものがありますね

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