亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ユーロの弱さを投影した消去法的なドルの強さ

2018年12月06日 23時24分57秒 | 金市場
日本時間の本日午前の早い段階で報じられた、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)が、米国側の要請でカナダのバンクーバーでカナダ当局により逮捕されたとのニュース。ファーウェイという名に、ここまでの展開から意外性はなかったが、このタイミングであることと、創業者の娘ということに意外性があった。

米国の対イラン制裁に違反した疑いが逮捕理由とされる。これに対し、中国側は釈放を求めている。米中間の緊張の高まりを誰もが考えるわけで、その後の市場でリスクオフ・センチメントが一気に広がったのは、当然だろう。いろいろ、重ならなくてもいいタイミングで、懸念材料が重なってしまうのも、相場の“あや”と思う。この身柄拘束劇については、この後の米中双方の対応、展開がどうなるかで米中間の間合いや、スタンスが明らかになりそうだ。10月以降のペンス発言からすると、米国側は強硬姿勢を維持しそうだ。

リスクオフの株安は、アジアから欧州へと広がっている。その一方で、米長期金利の下げも大きい。間もなく米国株が開くが長期金利は現時点で2.866%まで下がっている。欧州株が下げ幅を拡大しているので、NYも大きく売られそうだ。アジアではスマホ関連株の下げがきつかったようだが、アップルが売られれば今夜の米株の下げ幅も拡大しそうだ。

FRBのクラリダ副議長は、この主要株式指数の動向にも注視というスタンスと見られるので、利上げスタンスは維持したとしても、ペースは落ちると思われる。ドル指数の高止まりに上値を抑えられている金。ドル指数の強さは、ユーロの弱さを投影しただけで、ドル自体も弱っていることに目が向くと、金市場ではドル離れのショートカバー・ラり―が見られそうだ。


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