亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

FOMC前にWTI原油をファンドが総投げ

2018年12月19日 20時42分46秒 | 金市場
日本時間の明朝4時にFOMCの声明文と参加者全員による経済見通しが発表される。それを前に前日の18日に注目すべきは下値の見えなくなっている原油価格の動向だろう。

株式市場同様に、まさに世界経済の減速懸念からの需要減を映すかたちで、ここまで水準を切り下げてきた。この日はロイターがロシアの12月の産油量が過去高水準に達するとの見通しを報じたのに加え、米エネルギー情報局(EIA)は17日に公表した月報で、米国の主要シェール層7ヵ所の石油生産が2018年末までに日量800万バレルを超えると予想。供給過剰への警戒感が再燃し、ファンドの売りが膨らみ米国産油種のWTIは前日比7.3%の大幅安となるバレル当たり(=約159リットル)46.24ドルで終了となった。その後の時間外で45ドル台まで売られ、昨年8月末以来1年4ヵ月ぶりの安値を記録している。

10月初めまでNY原油先物は、米国の対イラン経済制裁の影響を見込みファンドが大幅買い越し状態にあったが、いまや総投げ状態となっている。10月初旬から2ヵ月半で約40%もの下げとなっている。バブルは弾けた。この暴落は、下手をすると産油国経済と高債務の石油企業を打ち砕き、石油産業のジャンク債を紙くずにする。原油の暴落はいうまでもなく、インフレ見通しに影響を与え、FOMCの関心事でもある。日本時間の午前9時過ぎにNY時間外の米国債に買いが入り、10年債利回り、つまり長期金利が2.8%割れ寸前まで行ったのは、原油急落を受けた質への逃避ということのように思われた。

今回のFOMCは、利上げしても見送られても市場の反応が大きくなりそうだ。利上げ見送りは考えにくくテイル・リスクといえる。見送れば株価は大幅反発との指摘があり、まさに利上げを牽制するホワイトハウスはそれが欲しいのだろうが、一過性に終わる可能性がある。見送らねばならないほど、見通しが悪化したとの受け止め方を市場がすることによる。この点でも、公表される経済予測および議長の記者会見が重要となる。金市場については、利上げで目先の悪材料出尽くしになりプラス材料。

今夜は早く寝ましょ。

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