亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

オンとオフの循環の中でオンに傾く市場

2019年02月13日 23時38分37秒 | 金融市場の話題
株式市場を中心に投資家センチメントは、日々伝えられる米中通商交渉や(米政府機関の再度の閉鎖につながる)予算協議など政治要因に反応し、リスクオンとオフを繰り返している。その中で金はレンジ相場継続。

12日は、予算協議に米与野党の歩み寄りが見られ、メキシコ国境警備増強として一定区間にフェンスを新設する予算13億7500億ドル(約1500億円)を盛り込むことで原則合意が伝えられた。後は「壁」の建設にこだわり57億ドルの予算を要求しているトランプ大統領の署名待ちだが、共和党議会指導部も大統領の説得に力を入れているとされていた。NY時間12日午後の段階で、トランプ大統領は政府機関の閉鎖はないとしながらも、国境の壁をめぐり依然として非常事態宣言の発令を検討とし発言内容は混迷。夕刻(日本時間の本日午前8時20分)になり、関係筋の話として「トランプ大統領は渋々ながら予算案に署名する見込み」と伝えられた。そして、日本時間の今夜10時半ころWSJが報じたところでは、サインする見込みとしている。最後まで抵抗の姿勢を示したことで、ランド・ポール(上院議員)など右派やコアな支持層にアピールしたということか。いずれにしても、株式市場で先行したリスク・オン環境を追認されることに。

もうひとつの懸案事項、米中通商交渉については米中両政府が11日から北京で次官級協議を開始。12日は、14、15日の2日間で予定されている閣僚級会合のため、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とムニューシン財務長官の北京入りが伝えられた。この件でトランプ大統領は、協議に合意の方向性が見えれば3月1日の期限を延長することは可能とした。先週、習近平主席との会談はないとしたことで、楽観論が消えた市場だったが、再び風向きはリスクオンに傾き米国株は大きく上昇。急速な陰りが伝えられる中国だけに、先方から折れてくるとの見立てが増えている。大豆やガス、ボーイングの飛行機の“爆買い”で解決する部分と、構造問題の2階建てゆえに、どう折り合いをつけるか。

今夜は米1月のCPI(消費者物価指数)が注目指標だったが、インフレは鎮静化したまま。FRBの利上げ見送りを追認する結果に。CPIは前月比0%の横ばいとなったが、正確には0.02%の低下。2ヵ月連続で前月と変わらずとなった。市場予想(+0.1%)を下回った。エネルギーと食品を除いたコア指数は、0.2%の上昇、こちらは+0.24%。市場予想の範囲内。いまのところ目立った動きなし。


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