亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

大幅下方修正の10-12月期GDP予測、アトランタ連銀GDP Now

2019年02月22日 23時25分07秒 | 金市場
NY金が利益確定の売りに押し戻されることになった。週初に米金融政策のハト派化を前のめりに織り込むファンドの買いで、30ドルほど水準を切り上げ10カ月ぶりの高値水準に達していた金価格。節目の1350ドルを前に売り買い交錯状態が続いていたが、利益確定の売りに徐々に押し戻され、それが時間の経過とともに広がることになった。結局、前日比20.10ドル安の1327.80ドルで終了となった。昨日書いたが、やはり切り上がったレンジ1320~1350ドルに収まるということか。

前日に公表された1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨について、利上げを放棄しているわけではないことが示された。2015年12月以降進めてきた段階的利上げや、2017年10月にスタートした量的引き締め策(バランスシートの縮小)の経済への影響および効果を見極めた上で、次のステップに移ろうというものと思われる。年初以来のFRB高官の発言や、1月のFOMC声明文、パウエル議長の記者会見など、前回の会合とは大きくスタンスを変えたハト派化に、金市場のみならず株式など市場横断的に利上げサイクルの終えんを織り込みに掛ったが、やはり、それに「待った!」が掛けられたというべきだろう。

政策スタンスの変更は間違いないと思われるが、むしろ急反発からその後(米中通商交渉の進展もあり)上昇が加速していた株式市場など、緩めの政策を先取りし、ともすれば過熱しがちな市場に対し、「君たちははしゃぎ過ぎ」とばかりにFRBから牽制球が投げられたというところか。

それにしても、21日に発表された米国の経済指標は、引き続き減速を示すものとなった。昨年12月の耐久財受注だが全体指数は前月比1.2%増(市場予想1.5%増)となったものの、民間設備投資の先行指標とされる「コア資本財」の受注が0.7%減と0.2%増の予想に反し減少となった。これは10-12月期のGDPの数値に影響を与えるもの。結果を受けて、アトランタ連銀が独自モデルで予想する“GDP Now”では、さっそく2018年10-12月期のGDPが下方修正され前期比年率+1.4%とされた。サプライズとなった2月14日発表の12月の小売売上高を受け、それまでの+2.7%から+1.5%に大幅に下方修正され注目されたが、さらに減速予想となった。


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