亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

今回の逆イールドは「騙し(だまし)」なのか?

2019年03月26日 20時34分15秒 | 金融市場の話題
週明けNY市場は、前週の長短金利逆転劇の余韻が残る展開で、その中で金は続伸となった。金市場でいうならばロンドンの時間帯に予定されていたのが、ドイツのIFO経済研究所が発表した3月の同国企業の景況感指数だった。結果は99.6と市場予想の98.5を上回り前月比で7ヵ月ぶりに改善。前週末の悲観的ムードは後退し、ドイツ10年債利回りは上昇し一時プラス圏に浮上。欧州株を下支えした。ユーロは対ドルで買われ上昇。しかし、長くは続かなかった。欧州株は結局小幅ながら全般的に続落となった。警戒感は根強い。

米国株式も同じで、前週末の余韻の残る中で寄り後に大きく売り込まれることに。それでも引けにかけて戻りを見せたことを評価すべきなのか、前週末の急落の割には反発力が弱いと見るか意見が分かれるところだろう。結局、下げ止まりという印象に。注目の債券市場では、10年債利回りは一時2.375%と2017年12月以来の低水準を見るもその後は2.4%台に復帰。しかし、3ヵ月物財務省証券との利回り逆転(逆イールド)状態は続くことになった。

今回の逆イールド現象について、そもそも「騙し(だまし)」であってマーケットは過剰反応との意見が多いようだ。イエレン前議長も「リッセッション入りのシグナルではない」としたと伝えられている。結論としては、ソフト・パッチ。水たまりに嵌ったようなもので、踊り場に過ぎないという見方が多いということだろう。今回の逆イールド状態がどの程度続くのか否かにもかかわるが、短期で解消となると、やはり「騙し(だまし)」だったということになろう。しかし、過去の例では、そう長くない間に「騙し(だまし)」が繰り返されて、結局、本チャンがやってきてリセッションというパターンではないかと思われるが、どうか。

「ニューヨーク連銀が開発したモデルによると、過去60年にわたり、逆イールドはリセッションの最も正確な前兆となってきた(ブルーンバーグ)」らしい。このNY連銀の話は知らなかった。


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