亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

株価の急落に備える国債買い、金市場にも

2019年04月25日 23時52分12秒 | 金市場
24日はここまでの中国の指標の改善から、さすがにドイツも底打ちか、との思惑が先行していたドイツIfo経済研究所の4月の業況指数が、プラス予想に対しマイナスという予想外の低下に。為替市場ではユーロのショートが膨らんでいるので、底打ちからユーロ反転、ドル指数(DXY)低下で金市場ではショートカバーの嵐という、シナリオがあった。結果は、99.2と前月改定値の99.7から低下。予想は99.9への上昇(改善)だった。

この結果を受けた為替市場では、ユーロが売られ対ドルで1.1141ドルと2017年6月以来1年10カ月ぶりの安値をつけ、1.1152ドルで終了となった。ユーロ以外の他通貨も安く、オーストラリア連邦統計局が発表した1-3月期の消費者物価指数(CPI)が3年ぶりの低い伸びとなったことから、5月のオーストラリア中銀の利下げ観測が強まり豪ドルも大きく低下。EU離脱に向けた与野党協議の膠着が伝えられていることで英ポンドも2カ月ぶりの低水準。結局、そんなこんなでドル全面高ということに。前の日にレンジを上に放れていたドル指数(DXY)はさらに上昇。98ポイント台に乗せ、こちらも1年11カ月ぶりの高値水準に駆け上がった。

そうなると、当然、金市場は売り優勢の展開で・・・ということにはならず、逆に1270ドル割れは買いというセンチメントの中で、1260ドル台に突っ込む状況も見られず、株式市場が一服気味に推移したこともあり、買いが先行することになった。そのまま徐々に水準を切り上げながら推移し昼前には1280ドルにタッチ。さすがにそれ以上の勢いはなく、しかし切り上げた水準を維持して取引を終了した。6.20ドルの反発で1279.40ドルで終了。

一方の米国株式市場は、発表された企業決算がまちまちとなったこともあり、上昇は一服。興味深いのは、債券市場では国債に買いが入り利回りは低下。もともとドイツ指標の悪化から、ドイツ10年債利回りが再びマイナス圏に入ったこともあるが、米国債買い(利回り低下)は、「史上最高値を更新した米国株の将来の下落に備えたリスクヘッジ戦略」との指摘が見られた。

この文脈でとらえるならば、DXY上昇に逆行した金の上昇も、リスクヘッジ戦略の一環というとらえ方もできよう。したがって、そろそろ下値確認という流れか?

先日、中国共産党政治局会議について取り上げたが、本日の上海株式は大幅下落となった。
もともとドイツ指標の悪化から、ドイツ10年債利回りが再びマイナス圏に入ったこともあるが、米国債買い(利回り低下)は、「史上最高値を更新した米国株の将来の下落に備えたリスクヘッジ戦略」との指摘が見られた。この文脈でとらえるならば、DXY上昇に逆行した金の上昇も、リスクヘッジ戦略の一環というとらえ方もできよう。

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