亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金は押し目買い、12日ぶりの更新

2019年08月20日 18時26分13秒 | 金市場
さてさて、今年の前半は長男ということもあり実家の用向きで郷里でないとこなせない諸事があり、しばしこのブログも更新できぬことがありましたが、いわゆるお盆を挟んだこの10日余りで一巡となりました。台風の接近でスケジュールが大きく狂いましたが。正直言ってまだ片付けごとがありますが。。ま、世間的には、おおむね終了ということで。

最後に更新したのが8月8日のこと。その際は、ホワイトハウス発の材料、例の唐突な中国製品3000憶ドルに対する追加関税10%付加方針の発表を受けたリスクオフ環境で1500ドル大台乗せとなったNY金について、直前の米債相場の急騰(利回りの急低下)を見て、目先の踊り場に来たのではないかとした。つまりさすがのNY金の加速相場もお休みではないかと。8日の引けが1509.5ドル。実際には翌週、つまり先週、AIロボットの攪乱(アルゴリズム)のような債券相場の急伸が見られ米10年債は一時1.475%まで低下。2年債と10年債の逆イールド現象まで現れ“カナリヤは鳴きまくり”、株価は急落。NY金はザラバの高値が13日の1546.10ドル。引値では15日の1531.20ドルで、これらはいずれも6年4カ月ぶりの高値。つまり戻り高値の更新となった。

今週は、先週の株価急落や景況感の悪化に警戒感を強くしたトランプ政権のみならず中国やドイツまで具体的なサポート策に言及したり打ち出したりで、金融市場はやや落ち着きを取り戻すかのような値動きに。いつものように寄せては引く波のイメージで、何回かに1回あるいは何十回かに1回の大きなうねりがやってきて、その後の小康状態のような感じ。

中国ファーウェイに対する米国製品の一部禁輸措置の解除期間の90日間の延長を、雪解けの兆候で株式市場は好感などと伝えられているが、はぁ?そうですか・・・という感じは多くの人の率直な感想だろう。米政府は安全保障上の懸念がある企業に新たにファーウェイ関連企業46社を追加したことを明らかにしている(ファーウェイ関連以外も追加)。これで禁輸措置の対象となるファーウェイ関連企業は100社を超えるとされる。延長は米国側の事情であって緩和措置ではないと思う。

いずれにしても、何をどうしても足元で起きている先行き懸念は払しょくできず、したがってNY金にしても一本調子の上昇はないのはどの相場も同じで、押し目があれば買いということになると思う。もっとも、ここまでのところ“押し目待ちに押し目なし”ということだったが、50ドル程度の下げ局面はあってもおかしくはない。なければないで、加熱ということになりそうだ。ただ、ファンドのポジションは回転が利いており荷もたれ感はない。


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