亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

一時休戦の米中、個別の指標でチェック

2019年10月15日 20時53分14秒 | 金融市場の話題
さて米中合意。トランプ大統領も当初は部分合意はしないとしていたが、やはりというか中国側が米農産品を爆買いすることを中心に折り合いをつけ「第1段階の合意」がなったと発表した。「中国による農産品購入は過去最大だ。アメリカの農家はすぐに大型トラクターを手に入れた方がいいぞ!」と、どうだ!見たか!という展開。報じられているのは400~500憶ドルの農産品購入を約束したとされるが、この規模は過去最高となった2012年の実績が260憶ドルとされるので、たしかにかなりのもので、「わが国の歴史上、偉大な農家に対する最大かつ最も素晴らしい合意」だと成果を誇るのはわかる。しかし、中国側はこの数字に関して何も触れないのは確約したわけではないからだろうが、金額は米国側の見積もりということか。中国側は外務省の耿(こう)副報道局長が記者会見で農業を含む分野で「実質的な進展があった」としたのみで、それ以上踏み込まなかった。さらに報じられたように、中国側は詳細を詰めるための追加協議を早ければ今月末にも持ちたい意向と複数の関係者が明らかにしたとされる(ブルームバーグ)。

トランプ大統領は中国側が知的財産権を巡る一定の措置、金融サービスと為替に関する譲歩にも同意としているが、これらについても口頭での合意につき詳細は不明。7月末の協議のように最終的な文書化の段階で、言った言わないの押し問答になり決裂。怒り心頭の大統領が追加関税を即座に発表という流れだったが、今回は、月末までに次官級の電話協議やムニューシン、劉鶴電話協議が予定されているとされる。

しかし、マーケットとしては扱いにくい材料であることに変わりはないが、ここまで長引いて影響がないということはなく、昨日発表された9月の中国の貿易統計も本日発表された中国の9月のCPI(消費者物価指数)もPPI(生産者物価指数)も悪かった。米国側がどうかということだが、今週は皆、9月の小売売上高に注目している。

経済規模の大きい両国なので金融危機的なものでもない限り、一気に冷えることはないわけで、悪化はじわじわと進む。それにしても、米国を中心に自社株買いの規模には驚く。株価が崩れないことがセンチメントを支え消費も底支えというパターン。
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