亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

中国がツィートで流した米中交渉楽観観測

2019年11月26日 23時28分05秒 | 金市場
毎日話題にするのも飽きてしまうが、また米中の話。というのも、なんじゃ!これは?というものだったから。報じられたように週明けの市場は、米国株主要3指数が軒並み過去最高値を更新したことが象徴するようにリスクオン・センチメントに覆われることになった。アジア時間に流れた中国発の米中交渉楽観見通しに刺激され、株高は世界的に連鎖、結局、米国株総上げということになった。

中国共産党機関紙・人民日報傘下の環球時報(Global Times)が25日、米中交渉は「第1段階」の合意が非常に近いと(ツイッターにて)報じたのがきっかけだった。政府系シンクタンクの中国社会科学院の米中交渉に詳しい専門家の話として「双方が基本的に第1段階の幅広い合意に達している」とした。ただし、両国政府が関税の撤回で合意しているものの、撤廃の詳細な規模では一致できていないとした。中国は「第2段階」、「第3段階」の合意に向けた協議継続の意向も示しているとも報じた。前日24日には、中国の国務院と共産党中央弁公庁が意見書を公表し、権利侵害に対する損害賠償の上限引き上げなどの措置を通し知的財産権の保護を強化する意向を明らかにしていたというニュースまで後追いで浮上し、リスクオン・センチメントを後押しすることになった。

こうなると市場は都合のいい材料を目ざとく見つける。週末23日にオブライエン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が、年末までに中国と第1段階の通商合意に達する可能性は依然としてあると述べたことまで語られることに。カナダ東部のハリファックスで開かれた安全保障関連の会議でのインタビューでの発言で、主要な発言は香港情勢や南シナ海での中国軍の活動についてだったもよう。この人物がどこまで米中交渉にかかわっているかも不明。この手の報道はこんなもんだ、と言われると、そうかもしれぬ。

引っかかったのは、なにゆえ環球時報がツィートでこんな情報を流すのかということ。サイトであれ紙媒体であれ、正規に原稿を起こせばよろしい。どういう意図でこんな話を流したのか・・と。ちなみに中国外務省報道官は25日の定例会見にて、このニュースについてコメントすることはなかった。

米国株高をチェックして個人的には、国内小型株の指数ラッセル2000の25日の上昇率が主要指数より大きく、1600ポイント台に乗せたことが目についた。出遅れていた銘柄にも物色の範囲が広がっていることを表す。このリスクオン環境の中ながら、債券相場に目立って売りは見られず利回りに大きな変化はなし。この日1450ドル接近まで売られたNY金だが、金ETFの最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」は5トン弱残高が増加。押し目買いが入っている。

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