亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米中合意は成立したが内容理解に食い違いがありそうで・・・

2020年01月16日 21時58分17秒 | トピック
米中「第1段階」合意は予定通り成立した。当日の米国株式は主要3指数ともに過去最高値を更新。材料出尽くしとなるか否かは本日注目ということか。

伝えられているように中国は米国からモノとサービスの輸入を2年で2000憶ドル(約22兆円)増やすことになった。明らかになった内訳のうち農畜産品が320億ドルとなっている。これだけを追加で増やすのだが、豚コレラの発生で中国では豚肉の需給が締まり輸入を迫られるのは渡りに船というコメントを聞いたが、それがどれだけの金額になるのか。人口13憶人の大国ゆえに経済成長に伴うすそ野の需要拡大も巨大なだけに、達成できないとは言い切れない面がある。それでも景気減速に見舞われ内需が弱含んでいることから、数値は掲げたものの実現は不透明といえる。ただし、今回は合意文書に履行状況を監視する制度を盛り込み「実行できていなければ適切な対抗措置を執る」との一文が盛り込まれたとされる。

それでも調印式にて、いつものトランプ長時間演説で50分も立ったまま待たされた中国の劉鶴副首相が、農産品の輸入拡大に関して「中国市場の需要や市場の条件に基づいて購入することで両国は合意した」と述べたとされるが、数値での合意とは離れた発言内容といえる。これが中国側の理解であり、現実的な話ということか。合意文書の中で、米国側が改善を望んだ技術移転に関連する内容は2ページにとどまったという話もある。例の構造問題だが、中国側は米国の要求に従い産業政策の抜本的な見直しをすることまで確約しておらず、それゆえ米国側も今後の交渉の切り札として中国製品の7割弱に制裁関税を課したままになる。

一時に比べ不透明要因は後退と言われればそのとおりだが、効果はどの程度か。思うのは、12月まで4カ月連続で(後退を表す)50割れとなっているISM製造業景況指数など米国のセンチメント(心理指数)系の指標が結果を受けてどの程度改善を示すのか否かということ。もっとも、対中赤字の削減という大統領の選挙公約はたしかに実現されることになった。

金市場では、ここで「ノイズ」と書いた米イラン問題での上昇に対するETFの売りは早くも一巡の様相のようで、そうであれば消化の速さに驚きではある。。本日は12月の米小売売上高。米ターゲットの決算がパッとしなかったので、売上高はどうなったか。市場はいいことを前提としている。

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