亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金市場はETFの残高増に注目

2020年01月21日 21時02分28秒 | 金市場
マーチン・ルーサー・キング牧師生誕記念日でNYは休場。本日のアジア市場は上海、香港の下げに連れ安状態で軒並み安に。新型コロナウイルスが人から人へと感染することが確認されたこと、しかも春節の華人圏の大移動期と重なることから懸念が先行、売りが膨らんだ。

先週のNY金は週足でかろうじて上昇。これで4週連続の上昇となった。過去最高値の更新を続ける米国株式を見る分には、ガンガンのリスクオン環境の中で踏みとどまるNY金。

年初に米イラン間の軍事的緊張の高まりの中で一時1600ドルを突破したが、その後、失速状態となったのは買われ過ぎ感に加え、先物市場で過去最高規模に膨らんでいたファンドの買い建て(ロング)の存在があった。下値は1536.40ドルまで見たものの、その後は押し目買いに550ドルの心理的節目を回復。背景には金ETFの残高が再び増加するなど、新規資金の流入があると見られた。この見方が正しかったのは、17日のETF残高動向が如実に示している。この日最大銘柄「SPDRゴールドシェア」の残高は、1日で19.33トン増加。手元の資料では2019年6月21日以来の増加量となる。年明け以降の減少分を一気に取返し、増加に転じることになった。年初1、2月に年金など機関投資家は前年11月ころまでに決めた資産構成の見直し(リバランシング)を実行に移す。そうした動きを思わせる、増加といえる。この見方が正しければ、今秋以降もETFの残高増加が続くことになると思われるがどうなるか。

先週は、プラチナの値動きが大きくなった。16日に一時1046.70ドルまで買われたものの、いわゆる行って来い状態で引けは1001.20ドルだった。17日の高値は1033.60ドルまでで、前日の高値には届かなかったものの23.60ドル高の1024.80ドルで終わりプラス圏は維持した。プラチナについては、先物市場で買い建て(ロング)が過去1カ月で30%増加しており、16日の取引時間中に見られた50ドル近い急落は、ファンドによるまとまった益出し売りが出たものと思われる。



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