亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

新型肺炎騒動の中FOMC   WHOは大丈夫か!?

2020年01月29日 20時38分47秒 | トピック
毎朝テレビの国際放送をチェックしているが、今朝のNHKBSのそれはトップが新型肺炎問題で世界保健機構(WHO)のテドロス・アダノム事務局長が急遽訪中し人民大会堂で習近平主席と会談している様子を報じていた。場所が人民大会堂というので、大仰だなぁ・・・というのが第一印象だったが、この事務局長の背景を知って、なるほど、何だかなぁということに。

WHOは先週、「緊急事態宣言」を時期尚早として見送った経緯がある。今回の会談では、習主席が「私は一貫して自ら指揮を執り、手配を行ってきた。我々が信念を固め、互いに協力し合って困難を乗り切り、科学的な予防と対策を行い、ターゲットを絞った施策を取りさえすれば、我々はきっと今回の感染拡大阻止の戦いに勝利できると信じている」と発言(人民日報ウェイボー)。

対するWHOのテドロス事務局長は、「中国は情報を公開し、記録的な速さで病原体を見つけ出し、迅速かつ主体的にWHOや他国と関連ウイルスの遺伝子配列を共有した。感染拡大に直面し、中国政府は揺るぎない政治的決意を示し、迅速で効果的な措置を取ったことに敬服する。中国が講じた措置が感染拡大を効果的に抑制し、最終的には打ち勝つことができると信じている」と語ったと(同じく人民日報ウェイボー)。

何のことはない、この会談、中国の国際的な体面を保つプロパガンダだった。筑波大学の遠藤名誉教授によるとテドロス事務局長はエチオピア出身で、2017年7月に就任するまで同国の外相を務めていた人物だという。え!そうなんですか。エチオピアといえば、中国が一帯一路とは経路がやや外れるが、アフリカ諸国に影響力を構築しようと資金を投じた国の代表国。しかも習近平政権になってから中国とエチオピアとの関係は非常に密接とされる。元外相となると、当然以前から習近平主席と面識のある人物。なるほど先のような発言になるわけで、いやはやということに。WHO大丈夫か!?

28日の欧米市場では新型肺炎に対する過度な懸念が後退し、株式市場は反発となり、国債と金は反落と相成ったが、仮にこのニュースを受けたものならば、直ぐに逆の流れに戻りそうだ。もっとも、28日の欧米株式市場の急反発は前日の急反落に対する自律的な反騰とも捉えられ、新型肺炎騒動に関しては沈静化への期待という程度か。事態は深刻度を増していると思われ、マーケットの認識とのかい離度は大きそうだ。

本日のNY市場は波乱含みか。FOMCもあるし、興味深い。


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1 コメント

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Unknown (コガネムシ)
2020-01-30 05:07:11
参考になりました。WHOは台湾加入にしろ中国の代弁者のような振る舞いをするので随分偏ってると思ったら、そういう背景があるのですね。緊急事態宣言見送り、外国人の退避推奨しないなど、政治バイアスで誤った判断をするようになると保健機関として致命的だと思います。

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