亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

リスクオフの波が通過し、NY金はいったんお休みか

2020年02月25日 23時05分06秒 | 金市場
世界的なリスクオフの嵐の中で一時は1691.70ドルと1700ドル手前まで駆け上がったNY金だったが、ファンドの過去最大のネットロング(買い越し)の前に、押し戻されることになった。昨日、「1700ドル手前には、オプションなどの設定もあり売りが控える関門となりそう」と書いたが結果はそういうことになった。本日は、この一両日書いてきた引用が多くなるので、それを承知で読み進まれたし。

24日のNY金は1700ドルに接近したものの、いわゆる“行って来い”状態となった。通常取引の引値こそ1676.60ドルとなったものの、その後の時間外では水準を切り下げ1650ドルに接近。25日のアジアの寄りこそ1660ドル台で始まったものの、日経平均が1000円以上安く寄る中で売り優勢の流れで1650ドル割れに。そこは押し目買いが入り反発となり1660ドル越まで戻すも、アジアの午後、ロンドンのオープニング前に再び売られた。その際は節目の1650ドルはもとよりそのまま1640ドルも割れ付けたのが1635.10ドル。そこからロンドンの時間帯には買戻しが見られ再び1660ドル台に顔をのぞかせたものの、まもなくNYの通常取引が始まるが1650ドル台ミドルでの推移となっている。

8連騰で100ドル駆け上がり(正確には引値ベースで106.50ドル上昇)、過去最大の買い残を抱える内部要因からすれば、現時点の1650ドル台半ばは、まぁ値を保っているというところか。2月20日の更新でここに、

「今後は値動き(ボラ)は大きくなりそうだ。動きが止まった時に、ストンと落とされることも起きるので余裕をもってじっくりと望まれることを。上昇途上の調整局面であろうと値幅が大きくなると、落とされて改めて沸き起こる高所恐怖症というイメージ」と書いたが、そうした展開が早速起きたと思う。

翌21日金曜日には、

「金は上げ足が急に加速することがあるが、それは往々にして目先の相場の過熱を示す形でもある。つまり“吹く”という展開」、として「後はモメンタムトレードにて資金を集めると上げ足が速くなるが、まさに現在そうした相場が進行中となっている。金利も生まず配当もない金ゆえに、妥当価格(フェア・バリュー)という定義に当てはめることも難しく、時に動きが加速することがある。まさに、それが起きている」とした。

その結果の“行って来い”状態の現出で、昨日のザラバの高値1691.70ドルは、次なる節目の価格になった。まずは昨日の引値1676.60ドルを奪還するところから始めましょうという感じ。今夜の米国株は再び復元力の強さを見せそうなので、材料の出方によるが金市場の方は目先は一区切り、日柄整理に突入ということか。この見方が外れるならば、それはそれで“強さの証し”となる。来週はISMやら雇用統計やら、いろいろ控えるので、そこまでウロウロでしょう。

それにしても今回の波乗り(8連騰)は、ドル円が動かなかったので、稀にみる利益の出しやすい波だったといえる。
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