イースター(復活祭)の3連休を控えた4月9日のNY金は大幅続伸となった。アジア時間は横ばいで推移。週次ベースでの米新規失業保険申請件数の発表やOPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」(TV会議)を前に、ロンドン時間から水準を切り上げ、NYの早朝には1700ドルを突破した。通常取引入り後に発表された失業保険申請件数とFRBの緊急支援策発表を受け、水準を切り上げ今週7日に記録していた取引時間中の高値1742.60ドルを上抜き1754.50ドルの高値を記録。そのまま前日比68.50ドル高の1752.80ドルで通常取引を終了した。清算値確定後の時間外で少し売られ1740.60ドルとなった。終値ベースで2012年10月17日以来、7年6カ月ぶりの高値となる。思い描いた2012年の価格レンジの上半分(1700~1800ドル)に入ってきた。
この日も金ETF(上場投信)への資金流入が見られており、最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」の残高は、前日比5.56トン増え994.19トンとなっている。2013年6月以来の規模となるが、既に銘柄数の拡大などで金ETFの総合残高は3210トンと過去最高を更新(4月3日時点)、金額ベースで1665憶ドル(約18兆円)となっている。金ETFの中でも「SPDR(スパイダー)」の存在感は、徐々に低下している。それでも指標銘型であることに変わりはない。原油ETFをはじめ商品系のETFの先鞭をつけたのが、「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」であり、SEC(米証券取引委員会)に承認してもらうのに、WGC(国際的な金の広報調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル、本部ロンドン)がマンパワーと時間とカネをかけた経緯がある。
本題に戻すと、この日のビックリ!は失業保険新規申請件数でもOPECプラスでもなく、FRBが2兆3000億ドルの緊急資金供給を発表したことだった。中央銀行という枠を離れ偉大なる市中銀行という内容の政策転換で金額も超ド級。最大6000憶ドルを便宜的に市中銀行を通すものの、実質的に中央銀行であるFRBが、従業員が1万人以下の企業に融資するという前代未聞の政策を実行する。
さらに今回の政策の柱となる社債の買取り(≒企業融資)策を「ダブルB」までを対象とするとしたこと。ハイ・イールド債、以前はJunk Bond と呼ばれたリスクの高い社債も対象にしたこと。中央銀行としては「禁じ手」とされる領域に踏み込むことに。社債購入については最長5年と償還期限の長いものも含むとしているので、これも異例。日銀のように株は買わないものの、“後から来て(日銀を)一気に追い抜いて行った” という感じだ。それだけ、企業債務の膨張とここにきての信用リスクの高まりがあったということ。9日の米債市場は価格上昇で利回り低下は言うまでもないでしょう。株も続伸となるわけで・・・。もちろん、金にとっては大きな押し上げ要因となった。
問題は緊急避難の政策ゆえに、時限的な政策ではあるものの、それを止めるタイミングが難しくなること、行きはよいよい、帰りは怖い領域に踏み込むことに。乱高下しながら金は上がる。振り回されませぬように。余裕を持って。
この日も金ETF(上場投信)への資金流入が見られており、最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」の残高は、前日比5.56トン増え994.19トンとなっている。2013年6月以来の規模となるが、既に銘柄数の拡大などで金ETFの総合残高は3210トンと過去最高を更新(4月3日時点)、金額ベースで1665憶ドル(約18兆円)となっている。金ETFの中でも「SPDR(スパイダー)」の存在感は、徐々に低下している。それでも指標銘型であることに変わりはない。原油ETFをはじめ商品系のETFの先鞭をつけたのが、「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」であり、SEC(米証券取引委員会)に承認してもらうのに、WGC(国際的な金の広報調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル、本部ロンドン)がマンパワーと時間とカネをかけた経緯がある。
本題に戻すと、この日のビックリ!は失業保険新規申請件数でもOPECプラスでもなく、FRBが2兆3000億ドルの緊急資金供給を発表したことだった。中央銀行という枠を離れ偉大なる市中銀行という内容の政策転換で金額も超ド級。最大6000憶ドルを便宜的に市中銀行を通すものの、実質的に中央銀行であるFRBが、従業員が1万人以下の企業に融資するという前代未聞の政策を実行する。
さらに今回の政策の柱となる社債の買取り(≒企業融資)策を「ダブルB」までを対象とするとしたこと。ハイ・イールド債、以前はJunk Bond と呼ばれたリスクの高い社債も対象にしたこと。中央銀行としては「禁じ手」とされる領域に踏み込むことに。社債購入については最長5年と償還期限の長いものも含むとしているので、これも異例。日銀のように株は買わないものの、“後から来て(日銀を)一気に追い抜いて行った” という感じだ。それだけ、企業債務の膨張とここにきての信用リスクの高まりがあったということ。9日の米債市場は価格上昇で利回り低下は言うまでもないでしょう。株も続伸となるわけで・・・。もちろん、金にとっては大きな押し上げ要因となった。
問題は緊急避難の政策ゆえに、時限的な政策ではあるものの、それを止めるタイミングが難しくなること、行きはよいよい、帰りは怖い領域に踏み込むことに。乱高下しながら金は上がる。振り回されませぬように。余裕を持って。