亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

リーマン後とは展開が異なる足元の金市場 

2020年05月26日 20時45分12秒 | 金市場
本日は夕刻16時30分からのラジオNIKKEI「マーケット・トレンド PLUS」にスタジオ出演だった。内容は文末の欄外にURLにて1週間聞いてもらえるので興味があればクリックをば。

短時間にかなり盛り込んだつもりでも15分間は短くて、やや早口にもなりながらも触れられなかったことがある。折に触れここに書こうと思っている。そもそも盛り込みすぎということもありそうだ。

ます最初にお断りするが、当サイトは金投資の価格予想サイトではなく、あくまでも参考意見を書いているに過ぎない。それよりも金市場を取り巻く環境を描くことで、他の投資に役立ててもらったり何らかの気付きにつながったり、金融とか経済は生き物で面白いなぁと思ってもらえればいい。その上で利益もついてくれば、なお良しというスタンス。言うまでもなく実際の投資にあたっては自己責任でどうぞ。

足元で1700ドル台にて滞留中のNY金については、こう着状態が続くことは悪くないと思っている。そもそも妥当価格の算出が難しい金にとって、一定の価格帯での滞留は市場参加者により“受け入れ”というか、価格慣れが起きる時間帯は儀式のようなもの。特に投資マネーで水準を切り上げてきた相場は、実需筋の高値慣れが必要となる。昨年来の上昇、特に今年3月以降のNY金の上昇は、NY金先物市場でのファンド主導型というよりも、金ETFへの資金流入に底支えされてのものゆえに、持続的な上昇につながるものと思っている。ヨーロッパでまずETFや金貨が買われ、やがて米国でもETFの買いが活発化し、その中には個人投資家の買いも一定量を占めていると見ている。もちろん厳密な仕分けなどできない。ただし米政府機関CFTCが週次ベースで発表するデータをみて、リーマンショック後の上昇相場とは一線を画す展開になっていると足元の相場を見ていて思う。

ただ、そうした相場もやがてNY金先物市場のファンド主導型の上昇に転じる時間帯がやって来るだろう。上昇が加速するタイミングで多くの投資家は金に注目し、買いに入るパターンが多い。もちろん、その相場が意外と持続することもあるので、すべてダメとは言えないのが悩ましい。しかし、パターンとしては加速した後は調整入りとなるだろう。先週かな、押し目買いのタイミングを待っている旨の書き込みが見られたが、押し目買い方針は正しいと思う。すでに書いてきたように円建て金価格は少なくとも6495円は超えると思われ、今ならば10%の消費税を加えると7150円を超えると言っているに等しい。相場というものは、勢いがつくと行き過ぎるところまでいかないと終わらないのも、また一方の真理と思っているので、そこで止まることもないだろう。

ただし、上昇にも様々なパターンがあり、一本調子の加速相場は(金市場には起こりがちだが)要注意。特にレバレッジを利かせた投資は、思わぬ急落時にそれまでの利益を蒸発させることもあるの細心の注意を必要とする。

ラジオNIKKEI {マーケット・トレンド PLUS} 2020年5月26日 ON AIR


http://podcasting.radionikkei.jp/podcasting/trendplus/trendplus-200526.mp3?fbclid=IwAR2htROdtom8Cg5TlLoP3bc3aTpT7gB8LuGtWJFL-sbfa-zAbNTECBxnwPE

1週間経過後はSpotifyにてどうぞ


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