亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

水準を切り上げたNY金、1800ドル前後でのレンジ相場

2020年07月01日 21時12分55秒 | 金市場
NY金は、前日比19.30ドル高の1800.50ドルで取引を終了。終値ベースでの1800ドル台は、2011年9月以来8年9カ月ぶりとなる。30日の取引時間中の高値1804.00ドルは、2011年11月8日以来の水準。このときは下げ相場に移行する中での最後の戻りで付けた1800ドル台だった。当日の引値は1799.20ドルと1800ドルを維持できていない。上半期を終えてNY金は年初来で18.2%の上昇。四半期ベースでは12.8%となり、これは2016年1-3月期の14%以来の上昇率となる。

ちなみに終値ベースでの過去最高値は、2011年8月22日の1891.90ドルだが、当時1800ドル台で終了したのは、わずか18営業日となる。節目の大台に乗せたことで、これまで弱気していた向きまで強気に転向したりというのは、よくあるパターンだが、いずれにしても最高値圏であり、当然ながら利益確定の売りは増える。一般的にはこのまま「イケイケドンドンというわけにはいかない。香港に絡んで米中間で何か新たな展開が見え、地政学リスクの高まりや、今週は本日から重要指標の発表が続くので、その流れの中でサプライズが必要となりそうだ。この場合、ネガティブ・サプライズとなる。何らかの材料が出ないと、売り物をこなしながらのレンジの形成か。

米国では景気回復を示す指標が増えているが、一方で新型コロナ感染再拡大が回復軌道を見えにくくしている。30日に米議会上院の公聴会で証言した米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、1日に4万人の新規感染が確認されているが、さらに増える可能性があるとして、「1日10万人に増えても驚かない」としたのは、そのまま危機感の表れでもある。

米国景気は最悪期は脱したのは明らかだろうが、ここからの回復のスピードが今後問われた場合、かなりの確率で失望を招くことになるのではないかと思う。とにかく足元の回復を示す数字はいいのだろうが、それが一巡した後が問題になりそうだ。よって、水準を切り上げたNY金は、ここで再び値固めというパターンか。まずは、発表される指標をチェック。

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