亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金はレンジ、米雇用統計の改善の先は長い

2020年07月02日 22時38分44秒 | 金融市場の話題
注目の雇用統計、6月分は前回ほどではないにしろ結果はよかった。NFP(非農業部門)の雇用者増加数は市場予想305万人増に対し480万人増加。失業率は12.5%予想に対し11.1%とさらに低下。足元の全米32州で感染者拡大というのは、この調査が終わった後の話なので、額面通りに受け取ることに難はあるものの、改善しているのは確かではある。

反応のいいのは株式市場で、米株の先物は結果が出て急伸となった。悪いのはドル円でほとんど動かず。金価格は反応よく、といっても当然ネガティブな反応で売られている。昨日発表のADP民間雇用の数字が良かったことから、前日から独立記念日の連休を控えることもあり、利益確定の売りが次第に膨らんでいた。節目をやっと超えた一種の達成感の中で、今回の雇用統計の結果がどうなるかで、サポート要因になるのか、逆にモメンタムを失わせるものになるのかということだったが、失う方に現時点で動いている。

現実的な話をすると、雇用統計も例えば11.1%の失業率は改善され予想よりも低下しているものの、それでも11.1%だということ。2008年に始まる国際金融危機のピーク時よりも1%以上悪く、FRBが目指す雇用の安定は4%程度なので、道のりは長そうだ。連休明けの来週には関心は米国の感染者動向に移っていると思われる。

金市場の方は、昨日書いたようにレンジを形成し、値固めという展開になると思われる。そういえば昨日急にシティ・グループが2020年7~9月期の価格見通しを発表し、1825ドルとしていた。金ETFの需要見通しを引き上げていた。短中期ではリスクを伴うとして、値下がり要因として挙げたのは、①デフレショック、②ドル高、③米金融政策のタカ派化としていた。デフレショックとはどの程度のことか不明だが、行き過ぎたデフレは不良債権の増加につながり金には押し上げ要因となる。ドル高は、ドル円でなく対ユーロで起きれば、まぁ売り要因になるかな?という程度。③もどの程度のことを意味しているのか不明なれど、環境を考えるとそれはなさそうだ。



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