亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金市場 極端な需要の落差

2020年07月03日 21時08分36秒 | 金市場
本日のNY市場は独立記念日の振り替え休日で休場。米国では2日も新型コロナ感染者数が5万人以上増加し、1日あたりの感染者数が3日連続で過去最多を更新している。直近2週間の感染者数も全米37州で前の2週間より増えているとされる。ちなみに6月第1週の米国の1日当たりの新規感染者は2万2000人程度だった。先行して活動規制を大幅に解除していたフロリダ州の2日の感染者数は1万人を超え、全米で最多となっている。6月の雇用統計の調査日が、感染拡大加速前となっていることから、今回の結果とのずれはありそうだ。市場関係者の中には、連休中に感染拡大に関するネガティブなニュースが報じられる可能性を警戒する向きも多かったとされる。

2011年以来となる1800ドルを突破したNY金だが、金ETF(上場投信)の残高増が今週も続いた。この2営業日で最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」は約13トン増え、増加ペースを維持している。来週初めには上半期の集計が発表されるが、金ETF全体の残高増加量は740トンほどになっているとみられ、記録を塗り替えそうだ。

その一方で、発表された需要国インドの輸入量が激減している。もっとも、全土封鎖していたことから、その影響が大きい。さらに価格の上昇もある。6月のインドの輸入は10.9トンと前年の77.7トンから86%減となった。4-6月期は13トン、こんな数字を見るのは初めてだ。前年比で96%の減少。宝飾店は休業している。一方、2日のインドの国内価格は10グラム当たり4万8771ルピーと過去最高値を更新した。インドの国内価格は今年に入りここまで25%の上昇となっている。ドル建て金価格の上昇に通貨ルピー安が加わっている。もともと価格に敏感なので、仮に新型コロナがなくとも減少していたと思うが、それでも前年比10数%といったところだったろう。

記録的なな欧米投資需要にアジア実需の激減という稀にみる落差
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