亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

精錬業者も金銀の価格見通しを大きく引き上げ 

2020年09月09日 22時58分06秒 | 金市場
先週は日経も取り上げていたがドイツの精錬大手ヘラウス(orヘレウス)が、年内の貴金属価格の見通しを上方修正したのが目に付いた。素材として地金を供給する精錬会社の価格見通しが一般メディアに取り上げられるのは珍しい。この春から夏の金銀価格の上昇に合わせ、メリルリンチやゴールドマンなど投資銀行が軒並み価格見通しを引きあげたのは、広く知られているが、素材提供社の見通しとなるとPGM(白金系メタル)のプラチナ、パラジウム、ロジウムの見通しをジョンソン・マッセイが需給レポートと一緒に発表するものが、よく知られている。

今回、ヘラウスは1月末以来7カ月ぶりに見通しを修正し金は31%もの上方修正で年末までに1850~2200ドルとした。同じく銀は22.50~35.00ドルと、こちらは54%の引き上げに。一方、パラジウムは11%引き下げて1750~2350ドルに、プラチナは3%引き上げで
850~1050ドルとした。

金については、旺盛な投資需要の高まりを上方修正の理由に挙げている。世界的な国債利回りの低下が米国でも実質金利のマイナス化をもたらし、前例のない財政・金融政策の導入が投資家の目を安全資産としての金に向けさせているとした。そして銀は、金に連動するという読みとなっている。金については宝飾需要など、いわゆる実需は低迷するものの、旺盛な投資需要が価格を支えるとしている。この辺りは投資銀行系と背景となる材料に違いはない。

一方、PGMについては、新型コロナの拡大で、主力の自動車や化学産業向けの需要が鈍るとの見立てになっている。ロシアからの供給減少が語られるパラジウムは、実際には供給量は落ちておらず2020年は前年までのような需給のひっ迫状態にはなく、11年ぶりの均衡状態に達するとしている。プラチナに関しては、自動車や宝飾需要は低迷しており、供給過剰が続くと見込む。ますます金とプラチナの価格差は開くことになる。

さて、本日はやはり米国株がどうなるのかが焦点に。特に前日の時点で目先のサポートラインとなる25日移動平均線を割り込んだナスダック総合株指数が、どうなるか。本日は主要株指数は大きくプラス圏でスタートを切っているが、その持続性はどうか。株が強く始まったことで、NY金もプラス圏で推移中。
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